アズーリ(イタリア代表)を24年振り4度目の優勝に導いた名将マルチェロ・リッピ(58)が代表監督を辞任することが12日、明らかになった。同日午前、W杯開催中の6月27日に投身自殺を図ったユベントス・マネージャーのジャンルカ・ペソット(35=今季限りで引退)の見舞い後、リッピは多くの報道陣の前で「辞任は撤回しない」と宣言した。

トラパットーニ体制崩壊後の04年7月16日、常連国イタリアのドイツW杯出場はマルチェロ・リッピの手腕に託された。噛みあわない歯車の潤滑油となったリッピ新体制の下、アズーリは25試合で15勝10分け負けなしの快進撃でW杯制覇。

リッピ勇退の理由としてカルチョ・スキャンダル、W杯優勝による対象喪失、過度のストレスからの脱却が挙げられている。リッピには先日、名門マンチェスター・ユナイテッドからもオファーが届いたが「英語が話せないのにどうやって・・・」と笑って一蹴しているが「外国で指揮を執ることも悪くない」と微妙な発言もしている。「監督業は続ける」と明言するリッピだが、現在は蓄積されたストレスの解消に専念しているため詳細が待たれる状況。

W杯優勝により13位から2位に大躍進したFIFAランキング。国内リーグ、欧州CL、W杯を制し名実共に世界NO1監督となったリッピ監督の存続を願う声が各方面から挙がっているが辞任の意志は固い。後任候補としてドナドーニ、ザッケローニ、U21監督ジェンティーレなどの名が浮上している。アズーリ再出発となるユーロ08年オーストリア・スイス共催に向けての予選リトアニア戦が行われる9月2日、W杯優勝国を指揮するのは誰になるのだろうか。