従来の自衛艦と異なる匂いがプンプンしてます。

もがみ型護衛艦のなかで最初に就役

 防衛省は2022年3月22日(火)、三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場(岡山県玉野市)にて、護衛艦「くまの」の引渡式および自衛艦旗授与式を実施しました。

「くまの」は全長約132.5m、幅約16m、基準排水量は約3900トンで、乗員数は約90名。主機関はガスタービンエンジンとディーゼルエンジンの組み合わせで、軸出力は7万馬力、速力は約30ノット(約55.6km/h)です。艦種は3900トン型護衛艦で、もがみ型護衛艦に分類されます。

 艦名の由来は「熊野川」で、海上自衛隊で用いるのは、ちくご型護衛艦の10番艦「くまの」(2001年除籍)に続いて2回目です。旧日本海軍では、最上型軽巡洋艦の4番艦「熊野」が存在しました。


新型護衛艦「くまの」(2022年3月22日、布留川司/ウルフワーク撮影)。

「くまの」を始めとしたもがみ型護衛艦は、増大する平時の警戒監視に対応するほか、有事においても対潜水艦戦闘や対空戦闘、対水上戦闘などに加え、これまで掃海艦艇が担ってきた対機雷戦に関しても、対応可能なのが特徴です。

 また従来の護衛艦と比べて、船体のコンパクト化や調達コストの抑制、省人化にも配慮した設計になっているのもポイントといいます。

 なお「くまの」の配備先は、神奈川県にある海上自衛隊横須賀基地とのこと。海上自衛隊では姉妹艦である1番艦「もがみ」の就役も近日中に予定しているほか、2023年3月までに3番艦「のしろ」、4番艦「みくま」も進水しており、この2艦も2023年に就役する計画です。