24年振り4度目となるイタリア優勝で幕を閉じたドイツW杯。5人目のPKキッカー、グロッソのシュートがネットを揺らした22時41分(イタリア現地時間)を境にイタリア中がお祭り騒ぎとなった。ローマ、ミラノなど各地で朝まで優勝を祝うクラクションの音が響き渡り、現地メディアもこぞって彼らの活躍を称賛した。優勝から一夜明けた10日付のガゼッタ・デッロ・スポルト紙恒例の選手採点では国内リーグ戦セリエAでは滅多に与えられない「10」点満点が続出する異例の大盤振る舞いとなった。以下が決勝戦の評価と寸評。*「6」点が合格点。

「10」GKブッフォン・・・ジダンのPKまでは無失点(USA戦でのDFザッカルド
のオウンゴールを除く)。流れの中からの失点を許さず。ゴールマウスに留まる事無く、ピ
ンチを防いだ。W杯でこのプレイを超える事は不可能。

「8」DFザンブロッタ・・・彼の再度から何度もチャンスが生まれた。疲れる事を知ら
ない。
「10」DFカンナバーロ・・・彼が対峙した最高のFWアンリ相手に何度かやられたが、
その何倍も防いだ。W杯で無限の可能性を披露した。

「9」DFマテラッツィ・・・マルダに対するファウルでPKを与えたが、汚名返上の一
発で振り出しに。ジダンを退場に追い込み、PKを確実に決めた。

「8」DFグロッソ・・・リベリーを筆頭にフランスの猛攻に耐えた。彼のPKが勝利を決定した。

「9」MFピルロ・・・今大会最高のレジスタ(演出家=中盤の底からゲームメークする選手)。ファンタジーを伴う彼の役割で質量共に彼を上回る選手は存在しない。

「9」MFガットゥーゾ・・・彼の内面には何か特別なものがある。W杯決勝でジダンを徹底マークし、ボールを何度も奪った。計り知れない選手。

「7」MFカモラネージ・・・疲れで途中交代したが06−07シーズンも存在を示す。

「7」FWデル・ピエロ・・・途中交代で精力的な動きで勝利に貢献。絶対外せない状況でPKを冷静に決めた。厳しい展開になった時、彼という選手がいる。彼が勝負を諦めた事は無い。

「6」MFトッティ・・・今日(9日)は彼の日では無かった。無意味なボールタッチで沸かせたが、マケレレ相手に苦しんだ。ジダンにもお株(クッキアイオ=スプーン。彼の得意とするスプーンですくうようなチップキック)を奪われる。

「7」MFデ・ロッシ・・・最も厳しい状況でピッチに登場。PKを決め、USA戦での肘打ちを払拭した。

「7」MFペロッタ・・・所属クラブASローマと同じ役割で相手を厳しくマーク。

「7」FWヤクインタ・・・右サイドでスペース作りに奔走。

「7」FWトニ・・・普段と同じく1対3の状況を義務付けられた。バー直撃に幻のゴールも。ガラス、トゥラムの強靭なDF相手によく戦った。

「10」監督リッピ・・・「ロナウド」「ロナウジーニョ」の様な選手を抱えていなかったが、一度も采配ミスをする事無く優勝を手に入れた。彼は表舞台に躍り出る事無く、むしろ非難対象となったカンナバーロ、トニを影で擁護した。代表監督の姿を披露。