エアバスらが開発中の新試験機 なんと「プロペラ7発」搭載! いったいなぜ?
今年飛ぶっぽいですが、にしても何ちゅう見た目…。
「分散型ハイブリッド推進」ってナニ?
ヨーロッパの航空機メーカーのエアバス、フランスの軽飛行機メーカーのダエアなどが2022年後半に、軽飛行機を用いた分散型ハイブリッド推進をテストするデモ機「EcoPulse」の初飛行に向け準備を進めています。エアバスは3月9日(水)、同機の製作が順調に進んでいることをアピールしています。
エアバス・ダエアなどが開発を進めているデモ機「EcoPulse」(画像:エアバス)。
「EcoPulse」は軽飛行機に7基のプロペラを搭載した試験機。2019年のパリ航空ショーでプロジェクトが発表されたもので、電動、もしくはハイブリッド電動により、排気ガスを出さないエコな次世代航空機の研究のために開発されます。主翼には左右3基ずつ、計6基の小さめの電動プロペラを搭載。エアバスによると、このように翼に沿って小型の推進装置を取り付ける「分散型」のレイアウトとすることで、離着陸能力の向上、騒音抑制といった効果が期待されるとのことです。
迫る初飛行を前に、エアバスは試験機に設置予定の重要なパーツについて紹介しています。同グループにより開発された長さ約2.3m、幅75cmの巨大な「高電圧リチウムイオンメインバッテリー」です。この巨大なバッテリーは胴体下部に設置され、電圧は800ボルト、最大350キロワットの電力を供給可能で、「6基のプロペラを駆動させるのに十分である」(エアバス)としています。
エアバスはこのバッテリーについて「いままでの既製品では、安全性と性能の観点から私たちのニーズを満たすものはなかった。新しいバッテリーは見た目こそ目立たないが、デモンストレーションの中心となる新技術だ」といった趣旨のコメントをしています。