東京メトロ有楽町線・副都心線で使用される7000系電車。新型車両17000系の増備により廃車が進んでいます。この東京メトロ7000系、そう遠くない日に見納めとなりそうです。

最初は5両編成だった

 東京メトロ有楽町線・副都心線で使用される7000系電車が、いま風前の灯火となっています。新型車両17000系の増備が進んでいるためです。

 東京メトロ7000系電車は、東京メトロの前身、営団地下鉄時代の1974(昭和49)年10月30日に有楽町線池袋〜銀座一丁目間の開業用として投入された車両で、同線の初代車両です。千代田線用の6000系電車をベースとした前面非対称のデザインで、帯の色はラインカラーの「ゴールド」。当時は5両編成でした。

 1980(昭和55)年3月27日の銀座一丁目〜新富町間の開業用として5両編成1本を増備しましたが、1983(昭和58)年6月24日の池袋〜営団成増(現・地下鉄成増)間の開業にあわせて、増備の中間車5両を組み込んで10両編成化するとともに、はじめから10両の編成も登場しました。このときの増備車は、それまで側面の窓が二段式だったものが一段下降式に変わったのが特徴です。


東京メトロ7000系。写真はいまでも現役の7133編成(2018年12月、伊藤真悟撮影)。

 その後、1987(昭和62)年8月25日の営団成増〜和光市間開業、1988(昭和63)年6月8日の新富町〜新木場間開業にあわせて車両が増え、最終的には10両編成34本(340両)となっています。ちなみに、新富町〜新木場間開業用として増備された7000系は、営団地下鉄で初めての新製冷房車です。

 その後、非冷房車の冷房改造や二段窓の一段化、制御装置のVVVFインバータ化などが行われ、有楽町線だけではなく直通先の東武鉄道東上線や西武鉄道の西武有楽町線〜池袋線にも入線し、幅広い運用をこなしました。

 しかし、7000系に最初の転機が訪れます。それは2008(平成20)年6月14日の副都心線池袋〜渋谷間の開業です。

 副都心線ではATO(自動列車運転装置)での運転を行うため、7000系も副都心線対応工事を行うことになりましたが、直通運転を予定している東急電鉄東横線の各駅停車で8両編成を使用しているため10両編成の一部を8両編成化することになりました。

 その結果、7000系は10両編成6本と8両編成15本の計180両となり、8両編成化で抜かれた中間車30両と副都心線対応工事を行わなかった10両編成13本の計160両は廃車。半数近くもの7000系が廃車となったのです。なお、副都心線対応工事車は「ゴールド」の帯から「ブラウン」「ゴールド」「ホワイト」の3色帯として、車体側面上部に「ブラウン」の帯を追加しています。

残るは8両編成2本のみ

 次の転機は、有楽町線・副都心線用の新型車両17000系の登場です。

 東京メトロは2019年11月11日に17000系の導入を発表。2020年1月に10両編成1本が落成したのを皮切りに、2021年4月からは8両編成も登場。2022年3月9日現在で10両編成6本(60両)と8両編成13本(104両)の計164両の陣容となっています。

 17000系の導入により7000系は順次廃車が進み、10両編成は2021年10月をもってすべて廃車となりました。8両編成も2022年3月7日に「7116編成」が和光検車区から新木場車両基地に廃車回送されたことで、残るのは1989(平成元)年に製造された「7133編成」と「7134編成」のわずか2本です。


7000系の10両編成は一足早く消滅した。写真は2021年4月に廃車となった10両編成の7102編成(2021年1月、伊藤真悟撮影)。

 東京メトロは2022年度までに17000系を21本計180両を導入するとしています。まだ導入されていないのは8両編成2本で、17000系の導入完了により7000系が見納めとなる日が近づいています。