どういうこと!? キエフに「世界最大の飛行機」の”亡霊”出現 露が破壊An-225 辛辣な便名
「キエフの幽霊」ならぬ「ムリヤの亡霊」…。
コールサインは「FCKPUTIN」
ウクライナのアントノフ設計局が手掛けた世界最大の飛行機、アントノフAn-225「ムリヤ」。世界に1機のみのこの機は2022年2月末、ロシアによる軍事侵攻によって、首都キエフ近郊のゴストメル飛行場で破壊されたと見られます。世界中の航空ファンが悲嘆にくれたニュースが飛び込んでから間もない3月11日(金)、航空機追跡サイト「フライトレーダー24」上で、とある奇妙な事件が発生しました。
アントノフAn-225「ムリヤ」(画像:Transport Pixels[CC BY-SA〈https://bit.ly/2VvpNUU〉])。
「フライトレーダー24」は世界中で稼働している航空機の動きをほぼリアルタイムで追うことができる、航空ファン御用達のアプリです。ここに11日、破壊されたはずのAn-225「ムリヤ」の機影が”出現”したのです。サイト上ではキエフ近郊の上空4500フィート(1371m)を円を描くように飛んでおり、コールサインは「FCKPUTIN」。日本語でいえば「憎きプーチンめ!」といった意味を込めたものと見られます。
今回の事象について詳細は明らかになっておらず、その痕跡も消されているものの、実際にAn-225「ムリヤ」がフライトしていないことだけは確実です。この事件を目撃した航空ファンなどからは、SNS上で次のようなコメントが見られます。
・なんで飛んでるんだ?
・これはムリヤの亡霊か怨念か…。
・アラートがなってびっくりした!破壊されたはずなのに。
・にしてもコールサインすごいな……。
・これぞまさにキエフの幽霊じゃん。
An-225「ムリヤ」の最大離陸重量は”世界最大”となる640tで、全長84m、全幅88.74mの大きさを持ちます。そのデザインも、片翼に3発ずつ計6発搭載したエンジン、32個の車輪をもつムカデのような脚など独特の形状を持ち、日本では”怪鳥”とも例えられました。同機は当初、ソ連版スペースシャトル「ブラン」を胴体の上に積んで空輸する目的で開発されたものの、紆余曲折を経て、破壊される直前までアントノフ航空で貨物機として運用され、その巨体が生かされてきました。