ソルテラの脇を固めた「警視庁EVパトカー軍団」に注目! 日本初のEV覆面も 東京マラソン
一般ランナーも参加しての開催は3年ぶりとなった東京マラソンで警視庁のEVパトカーが複数活動していました。なかには、赤色灯を載せていないと警察車両だとわからないものも。テレビ中継などで見るパトカーたちが変化しています。
BMWの電動バイク以外にも 増えた警察のEV車両
東京マラソンが2022年3月6日(日)、2年ぶりに開催されました。今回の東京マラソンでは、オフィシャルパートナーであるSUBARU(スバル)が、同社初のグローバルBEV(バッテリーEV)「ソルテラ」を大会支援車両として提供するなどしていたほか、2年前に初めて用いられた警視庁の電動スクーター「BMW C evolution(シー・エヴォリューション)」も、前回と同じく先導車を務めていました。
ただ会場を見渡すとそれ以外のEV(電気自動車)も裏方として活動しており、なかには新たなEVパトカーの姿もありました。
「東京マラソン2021」のオフィシャルパートナーであるSUBARU(スバル)が大会支援車両として提供していた、同社初のグローバルBEV(バッテリーEV)「ソルテラ」(柘植優介撮影)。
交通規制で用いられていたのが、三菱の「ミニキャブ・ミーブ(miniCAB MiEV)」のパトカーです。2020年度に配備された車両で、東京都の予算で独自に調達されたいわゆる都費導入車になるとのこと。以前より日産「クリッパー」やダイハツ「ハイゼットカーゴ」、スズキ「エブリイ」といった、いわゆる軽バンタイプのパトカーは調達されており、使い勝手の良い多目的車両として警察署などで重用されていました。
ミニキャブ・ミーブも同じように運用することを想定しているのでしょう。これまでもEVパトカーとしては三菱「アイ・ミーブ(i-MiEV)」が神奈川県警において期間限定で運用されたり、プラグインハイブリッドのパトカーとして宮城県警や熊本県警などにトヨタの「プリウスPHV」が配備されたりといったことはありました。
警視庁でも三菱「アウトランダーPHEV」を都費導入し、おもに奥多摩地区の複数の警察署で運用しているものの、ハイブリッドカーではない100%電気自動車のパトカーを本格調達したのは初です。
今後の運用実績しだいでは、もしかしたら数を増やすかもしれません。
秘匿性高すぎ!? 日産リーフ覆面パトカー
三菱ミニキャブ・ミーブのほかに、今回の東京マラソンで姿を確認することができたEVパトカーがもう一台あります。それが日産「リーフ」のパトカーです。
ミニキャブ・ミーブのパトカーが、ツートンカラーに赤色灯と警察章を備えた、いわゆる白黒パトカーだったのに対して、日産リーフのパトカーは覆面仕様でした。またミニキャブ・ミーブが道路に出て交通規制などに従事していたのに比べ、リーフはコース脇にほかの警察車両とともにひっそり待機する形であり、赤色灯を載せていなければ警察車両ではなく、単なる大会関係車両に思えたほどです。
話によると、こちらも都費導入車だとのこと。加えてシートカバーを付けた状態で用いられていたため、警察に詳しいカメラマンの話によると、おそらく各警察署、いわゆる所轄や本部の幹部車両として配備されたのではないかということでした。
2022年3月6日に開催された「東京マラソン2021」において、都内の交通規制で用いられていた三菱「ミニキャブ・ミーブ」のパトカー(柘植優介撮影)。
ちなみに、リーフも過去、白黒のツートンカラーをまとったことがあります。ただ、これは警察ドラマの劇用車や、「青パト」と呼ばれる防犯パトロール車両としてです。
なお、ハイブリッドカーならば、覆面パトカーでも数多く導入・運用されており、トヨタ「プリウス」を筆頭に、トヨタ「SAI」、トヨタ「アルファード」、トヨタ「エスティマ・ハイブリッド」、日産「セレナ」、ホンダ「インサイト」、同じくホンダの「フィット・ハイブリッド」や「フリード・ハイブリッド」などがあります。
また警護車として運用されているレクサスの「LS600h」もハイブリッド仕様であるほか、交通取締用として警視庁が導入したトヨタ「カムリ」も同じくハイブリッド仕様です。
それ以外にも、たとえば今後、数を増やすであろう新型220系クラウンパトカーの4WD仕様もハイブリッドカーであることから、今後はEVやハイブリッドのパトカーは増えることは間違いないでしょう。
警察車両の世界にも確実にEV化の波が押し寄せている、それを今回の東京マラソンで感じることができました。