リフォームで設置した食洗機のコンセントがない!せめてあのとき…
中古マンションを購入してリフォーム、キッチンには念願の食洗機をビルトイン。入居後さっそく使ってみようとスイッチを入れたところ、うんともすんとも言いません…。そんな悲劇に見舞われた、リフォーム会社勤務経験のある日刊Sumaiライター。よくよく確認したところ、驚きの施工ミスを発見。食洗機用のコンセント差込口が設置されていなかったのです。是正工事の苦労と施主側として「自分もやっておけばよかったこと」についてレポートします。
筆者は2年前にマンションを購入しました。
業者が中古で買い取りリフォーム後に売りに出す予定の物件を、リフォーム前に見つけ契約。そのため、内装材等は選ぶことができましたが、間取りや納入する設備は決定ずみでした。
リフォームの内容自体はとくに問題なかったのですが、引渡し前のチェック時、さらには住み始めてからも、いくつか驚きの施工ミスが発覚。そのうちのひとつが、食洗機が使用できない状態で引き渡されていた、という珍しい事例です。
なお、今回の内容は真摯(しんし)に対応していただき、すでに解決ずみです。
引き渡し初日にして、うんともすんとも言わない食洗機
リフォーム内容は、内装や建具、水回りの設備もすべて一新されるプラン。さらに、既存のキッチンにはなかった食洗機が導入される、というものでした。
初の食洗機がある生活を楽しみにしていた筆者。引渡し初日にさっそく使ってみようと食器を入れ、スイッチを押すと…まったまったく動きません。
電源すら入らないので、キッチンの引き出しを外して食洗機裏を確認すると、コンセントが差し込まれていないのです。それだけならまだしも、なぜか周囲に差込口すら見当たらず。この事態を、まずは仲介担当者へ連絡しました。
翌朝、仲介担当者と実際にリフォームを担当した業者が状況を確認しにきたところ、驚きの事実が発覚したのです。
原因はまさかの配線忘れ
なんと食洗機用のコンセント差込口を設置し忘れていたことが判明。探しても見つからないはずです。それどころか、専用電源が必要だというのにブレーカーにも予備がないというのでさらに驚きました。
食洗機のように消費電力が大きいものは専用電源、つまりブレーカーから直接単独の回路を引く必要があります。
しかし既存のブレーカーにはあきスペースがなく、増設用の分電盤の設置をしなければ電源を引くことすらできないとのこと。専用電源もつくらず、設置後の動作確認もせずに引き渡しに至っていたことに、驚きを隠せませんでした。
住み始めてからの是正工事は大変
結局後日、ブレーカーの増設と差込口の新設、その配線にともない廊下やキッチンのクロスの張り替えまで行うことに。
住み始めてからの工事は、基本的に施主が立ち会うことになります。日程の調整やすでに設置した家具の移動、在宅中の騒音に、どんなに気をつけても舞い上がる粉塵(ふんじん)と、煩わしいことだらけでした。
どうしたら施工ミスに早く気づけた?
あまりにお粗末なミスではありますが、よくよく振り返ってみると、気づくチャンスはありました。
それは工事が完了して引渡しを行う前に、仲介担当者、リフォーム担当者立会いのもと、買主(筆者)が施工に問題ないかチェックする日です。
先方に「設備の動作確認はすんでいますか?」と聞いたのですが、そのときの返事はあいまいなものでした。そのうえ、当日は電力会社との契約の関係で電気が通っておらず、その場での確認もできずじまい。
しかし、筆者が以前勤めていたリフォーム会社では、引き渡し前の設備の動作確認は必須だったため、「まさかやってないはずはないだろう」とたかをくくってしまったのです。そこできちんと確認を依頼すれば、住み始める前に是正ができたのではないかと思います。
今回の事例は全面的に相手側のミスではありますが、施主側も当事者意識を持って引き渡し前に確認をしないと、あとから面倒なことになります。住み始めてからの是正工事は先に述べた通り、とても大変。
ほかにも浴室乾燥機や床暖房など、設備の動作チェック、さらには新規増設したコンセント差込口の通電チェックがされているか、引き渡し前には必ず確認が必要です。また、工事業者が使用している完工後のチェックリストなどがあれば共有してもらうのもいいと思います。
筆者のような経験をしなくてすむよう、引き渡し前の確認をしっかりとすることをおすすめします。