長澤まさみさんインタビュー。捨てない暮らし、ものを増やさないルール
シリアスからコメディまで、作品ごとに違った表情を表見せてくれる長澤まさみさんがESSE初登場! 新たな1年の始まりに思うことや、最近の暮らしについて語ってくれました。
ひとつのものを大切に使い続ける。そういう暮らしに憧れています
●どんなものも跳ね飛ばす底抜けの明るさとパワーが主人公・ダー子の魅力
「この2年、みんなが我慢していたことが少しでも緩和されて、リフレッシュする時間ができるといいですね。人生は意外とあっという間だろうから、うまく気分転換しつつ、やりたいことを実現するための努力をしたいです」
多くの人と同じように、長澤さんも「仕事以外では、まったく遠出しなかった」というこの2年。状況がよくなったら「まずは温泉に行きたい!」と話します。
「近場でいいので、温泉で疲れを癒やしたい。でもやっぱり海外旅行もしたいし、海で泳ぎたい。とにかく自然と戯れたいです(笑)」
話題作への出演が続く長澤さんの最新作は、人気シリーズ映画第3弾『コンフィデンスマンJP英雄編』。長澤さん演じる主人公・ダー子が率いる詐欺師集団が、ターゲットから大金を奪い取るさまを痛快に描いたコメディで、今作では世界遺産で知られるマルタ島を舞台にだまし合いが繰り広げられます。
「前作とは違う新しいバトルが繰り広げられていて、私たちも初心に返ることができた気がします。
ドラマと映画を経て、ある程度は“ダー子像”のベースがあるけれど、そこに固執すると新たな魅力が出てこない気がするんですよね。だから同じ役ではあるけど、いつも新鮮な気持ちで演じたいんです。今まで明かされなかったダー子たちの背景が見えるのも今回の見どころなので、楽しんでもらえたら」
“詐欺の天才”であるダー子の魅力は、「どんなものも跳ね飛ばすパワーと明るさ」と長澤さん。
「最近、女友達に言われたんです。ダー子のような悲壮感をまとっていない、底抜けに明るいキャラクターって今まであまりいなかったよね、と。一見強くてもじつはつらい過去があって…みたいなキャラクターが多いけど、ダー子はそうじゃない。なにがあっても豪快に笑い飛ばす強さが魅力だと言われて、すごくうれしかったです」
小日向文世さん演じるリチャード、東出昌大さん演じるボクちゃんとダー子のテンポのよいやりとりも、シリーズの人気の理由。
「テンションの高いダー子を演じるには、すごくエネルギーが必要なんです。だから撮影のあとはみんなへとへと。でも小日向さんと東出さんの顔を見ると、自然とスイッチが入りますね。2人がいてくれるからこそ、ダー子になれるんです。それに3人でいると全然気をつかわなくていいし、すごくラクなんですよね」
●家にある“お玉”は20年くらい使っています
気分を一新するため、家の中を整えたくなる時季ですが、長澤さんは「なるべくものを捨てない暮らし」を心がけているそう。
「手放すのは、本当に着なくなった服やぼろぼろになった服くらい。新しく買ってなにかを捨てる…ということに抵抗があるんです。捨てるくらいなら、最初から買わない方がいいかな? と思ってしまって。だからあまり長もちしないものは買わなくなりました」
不要なものを増やさないよう、買うときは暮らしに合うかどうかをしっかり吟味するのがルール。
「新しいものより、気づいたら家にずっとあった…みたいな古いものが好きなんです。キッチンのお玉なんて、上京したときから同じものを使い続けていて。もう20年くらいですね。どこでいつ買ったのかも覚えてないし、取り立てて使い心地がいいわけではないんですけど、私のお玉! みたいな愛着があって(笑)。ものを手放すときも、単に捨てるだけではなく、うまくリサイクルできる仕組みをつくれたらいいですよね」
昨年からおうち時間が増え、日常が変化するなか、とりわけ変わったのが、朝の過ごし方。
「朝ご飯をつくって食べて、コーヒーやお茶を飲んで。今までそういう時間がなかったので、気持ちもゆったりできている気がします。夜も早く家に帰っているので、以前よりもひとりの時間を大事にできるようになりました。ただ時間があるといっても、考えるのは仕事のことなんですけどね」
気の利いたことを言えなくてすみません、と笑いながらも「今は仕事がいちばん楽しいから、打ち込むのは苦ではないんです」ときっぱり。2022年も、さらに輝いた姿を見せてくれそうです。
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