年齢を重ね、自分が心地よくなるような暮らしを模索する人も多いのではないでしょうか? 来年で59歳になるというトップブロガーの中道あんさんも、これからの暮らしには意欲的。自分が正直になれる暮らし方についてつづっていただきました。

50代最後に「自分にとってちょうどいいの豊かな暮らし」を考える

いよいよ来年は59歳。50代最後の歳になります。51歳で始めたブログは自分と向き合うツールでもありました。自分で考え、自分で選んで、自分で決めて行動し、そのことについて発信する。そうすることでどんどん自分というものが分かってきました。ついには55歳で起業して人生の舵を大きくきることができたのです。

子どもたちも成長し、家の中でも家族というより「個」の集合体のようになりました。
それぞれが、それぞれの時間を大事にしています。だから、60代を見据えて、どんな暮らしにして何を大切にして生きていくのか自分で考え、自分で選んで、自分で決めて新しい暮らしをつくっていこうとどんどん実践中です。

バブル世代のわたしたちは豊かな暮らしというと、お金のことを気にせずものを買うことができ、より多くものを持つことで豊かさを感じていたのではと思います。でも、今はインターネットで人が繋がる時代。さまざまな価値観が交錯して、正解が1つでなくなりました。だからこそ、自分がどうしたいのかをしっかり考えて決めていかないと、自分らしく暮らせないのかもなと思っています。

60代からは「自分のちょうどいい感じ」これが今のところしっくりきています。今回はわたしが実践している「ちょうどいい感じの豊かな暮らし」をするための5つのポイントをご紹介します。

●日々の暮らしに小さなご褒美を

今日は忙しかった。1つ仕事を終えた。良いことがあった。などプチ嬉しい日の夕飯には、いつもよりちょっと良いものを食べたり、ちょっと良いお酒を飲むようにしています。今日はデスクワークをし過ぎたと感じたら、夜の早い時間にのんびりとお風呂に入り、寝る前にももう一度、湯舟につかって体を温めてから布団に入るようにしています。自分へのご褒美というと特別に何かを買っていましたが、そういうことが必要ないなと思うようになりました。それよりも、いま自分が何を欲しがっているのか、何を求めているのを気にしてあげることで、ぜいたくさを実感できます。

 

●自分を労わる方法を知っておこう

一日の終わりに夕焼け空をみるとなんだか癒されます。毎日とはいきませんが、その時間をねらって、夕日がキレイな公園まで犬の散歩に出かけます。うまくタイミングがあえば、落ちる夕日をぼーっと眺めることができるのです。すると気持ちが洗われて浄化される。その時間が至福の時に感じられます。また明日から頑張ろう! と思えるから不思議です。

うまくいかないときや、自分が疲れているなと感じたら、とにかく早く寝ます。心身の疲労を回復させるのは睡眠が一番です。わたしの場合、体が疲れるというより、脳がパンパンになっていることが多く、そういう時には夕飯後すぐにお風呂にはいり、上がったら布団へ直行! いったん2時間くらい仮眠をとることもあります。するとめちゃくちゃスッキリするのです。

どのようにすれば満足いくよう自分を労えるかを知っておくと、おもわず「お酒を飲みにいって憂さをはらす」というようなことにお金を使わずとも十分に効果的です。

●お金のかからない趣味を見つける

 

愛犬を連れてのお散歩コースをたくさんつくっています。季節ごとに変わる道端に咲く花を眺めたり、空の青さに感動したり、珍しい野鳥を見つけたり、すれ違う人とあいさつを交わしたりと楽しいものです。ふと気になった方向に歩いていくと、きれいにバラを育てているお宅を見つけて思わぬ場所で目の保養になりました。じつはご近所にイチゴ農園があると知ったのも散歩でのことです。来年はイチゴ狩りに行くのを楽しみにしています。

わが家にはTVがないのですが、その分アマゾンプライムビデオでドラマや映画を観ています。これがじつにおもしろくって、2000年代は子育てで忙しく映画など観にいく暇がなかったのです。レンタルビデオは夫の趣味ばかりでしたし、好きな映画をPCで好きな場所で観る、あの頃を取り戻している感じです。
お金のかからない趣味こそ最高のぜいたくかもしれません。

●食器は気にいったものをまず1つだけ

私は食器が好きです。お店で手にとって眺めたり質感を確かめたり、用途を考えたたりする時間は楽しいものです。いいものはたくさんありますが、引き出しに入るだけと決めているので購入する機会はめっきり減りました。

それでも、どうしても欲しい器に出会うと、基本的に一つだけ買うことにしています。その結果、家族が集う食卓に、形や模様がばらばらな器やお皿が並ぶこともあります。遠方で暮らす次男一家。たまの帰省ではおもてなしをしたいものです。お茶碗とお箸、取り皿は家族ひとりひとりを想って揃えました。
食器は揃えるのが当たり前というこれまでの感覚を捨ててみると、大切な人のために、あれこれ想いを巡らせながら選ぶのも楽しいものです。

家族揃えて3枚を買う1回より、形の違うものを3回買う方が、楽しみも3倍に膨らみますしね。先日、友人たちにお茶を出しました。それぞれ違うティーカップで紅茶をそそぐ。
その人の雰囲気に合わせてカップを選ぶのも楽しいし、ぜいたくなことだな〜と感じました。これならもう少し種類を増やしてもいいかも。と新しい楽しみが見つかりました。

●床にものを置かないことで元気になる

犬を飼い始め床にものを置けなくなりました。置いたらならすぐにかぶりついていたので。そのことがこんなにいい結果になるなんて思ってもみませんでした。だっていつもスッキリしているので掃除がめちゃくちゃ簡単に終わるのです。さっと掃除機をかけて終わり。1LDKの1階は5分もあれば掃除完了です。いつ誰が来ても慌てることはありません。キレイな空間にいると人は自然に元気になります。

わたしにとっては、余分なものを手放してシンプルに暮らすことが、無駄なお金を使わず、心にゆとりや豊さを生むのではないかと思うのです。自分にとってちょうどいい感じをどんどん考えていきたいと思います。