AKB48劇場の柱のテープは年に1本増やされる。「AKB48劇場16周年特別記念公演」では、総監督の向井地美音さんが16本目のテープを貼り付けた(c)AKB48

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AKB48が2021年12月8日、東京・秋葉原のAKB48劇場でのデビューから丸16年を迎え、「AKB48劇場16周年特別記念公演」を開いた。緊急事態宣言の発出でコンサートや劇場公演の中止を余儀なくされ、メンバーも相次いで新型コロナウイルスに感染するなど、AKB48にとってもコロナ禍に翻弄(ほんろう)された1年だった。

9月には1年半ぶりになる新曲「根も葉もRumor」を発売。AKB48のメンバーのみが担当し、08年から続いてきた姉妹グループメンバーを交える方式を改めた。16周年の節目では「組閣」と呼ばれるチーム間の人事異動と新メンバーの募集が久々に行われることや、「カップリングリクエストアワー」と呼ばれる新たな形式のコンサートの開催が発表された。現時点では感染者数が少なく抑えられ、新たな取り組みが続く22年になりそうだ。

16期生から抜擢の新キャプテン「『若いからこそいいね!』と言われるチームに」

記念公演で発表されたのは、大きく(1)16年以来5年ぶりのオーディション(2)17年以来4年ぶりの「組閣」(3)22年2月のコンサート、の3つ。(2)では4つあるチームのキャプテン全員の交代が決まった。2人は、「ドラフト3期生」(18年デビュー)の次に年次が若い16期生(16年デビュー)から起用し、世代交代を印象づけた。「チームK」キャプテンに決まった田口愛佳(たぐち・まなか)さん(17)と「チームB」浅井七海(あさい・ななみ)さん(21)は、終演後に出したコメントで

「若手だから・年齢が若いから『この子ダメだね』ってならないように、『若いからこそいいね!』と言われるチームにしていきたいです」(田口さん)
「メンバーと協力しながら、和気あいあいとした温かくて柔らかい感じのチームになっていけばいいなと思います」(浅井さん)

などと意気込んだ。

(3)のコンサートは全3公演。「組閣」前後の体制で1公演ずつ行い、残る1公演は「AKB48カップリングリクエストアワー セットリストベスト30 2022」と題した取り組みだ。AKB48グループでは、楽曲を対象にファンが投票し、結果をランキング形式で発表する「リクエストアワー」と呼ばれる恒例のコンサートを20年1月まで毎年開いてきた。だが、20年はコロナ禍の影響などでコンサートの開催は見送られ、AKB48のメンバーが楽曲に投票し、自宅からパフォーマンスする「おうちでメンバーリクエストアワー2021」と題した企画が行われた。

サイト会員の投票とMV再生回数で上位30曲を選ぶ

22年は、それが少し変わった形のコンサートとして復活する。「カップリングリクエストアワー」は、タイトルのとおり、カップリング曲を中心に204曲を対象に投票する企画。一部はユーチューブに公開されていたが、今回の企画に合わせて全曲がフルバージョンで公開された。

AKB48から発売されたシングルに収録された姉妹グループの楽曲(HKT48の「大人列車」(15年)など)は対象外だが、山本彩さん(28=18年卒業)がセンターの「365日の紙飛行機」(15年)といった、姉妹グループメンバーが参加した楽曲は対象。AKB48グループのメンバーと、乃木坂46をはじめとする「坂道」グループがコラボした「坂道AKB」の楽曲も同様だ。梅田彩佳さん(32=16年卒業)センターの「抱きしめちゃいけない」(2011年)などファンに根強い人気を誇る楽曲もあり、公開から3日が経過した12月11日時点で12万回以上再生されている。

「カップリングリクエストアワー」のランキングでは、モバイルサイト会員による投票と動画の再生回数を踏まえて上位30曲を選ぶ。運営会社としては、過去のミュージックビデオを「死蔵」するよりも、多く再生してもらって収益につなげる方が望ましいと判断した可能性もある。

21年12月は、前総監督の横山由依さん(29)や大家志津香さん(29)ら、ベテランメンバーの卒業が相次ぐ。総監督で、新体制で「チームA」キャプテンとの兼務が決まった向井地美音さん(23)は、2人が「今の私たちに任せても大丈夫」だという思いで卒業を決心したとして、「その想いをしっかりと自信に変えて、来年のAKB48も走り続けていきたい」と決意を語った。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)