女優・川上麻衣子さんの暮らしのエッセー。
一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さんが、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地でもあるスウェーデンのこと(フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと)などを写真と文章でつづります。

第7回は、スウェーデン発祥と言われる「シナモンロールパン」の魅力と自宅でつくる際のレシピを教えてもらいました。


スウェーデンで訪れたパン屋さん。手前にあるのがシナモンロールパン

スパイシーな香りたっぷり。北欧シナモンロールをおうちで手軽につくろう



子どもの頃は苦手だったのに大人になったら大好きに変わったもの。皆さんもたくさんありますよね。椎茸、ピーマン、セロリ、パクチー…。やはり香りの強いものに子どもは弱いようですがいつのまにかそれらすべて、大好きなものに変わっていました。

スウェーデンで出会った、シナモンロールもその一つ。

●スウェーデンで思い出すシナモンとコーヒーの香り



スウェーデンで暮らしていた幼少期、母に連れられて入る喫茶店は強いシナモンとコーヒーの香りに包まれていました。子どもの頃はたいして気にもしていませんでしたが、気づくと無性に懐かしくなり日本に戻り、その香りを再現しようと、甘いシナモンロールと濃いめのコーヒーを買い込んでみたものの、今ひとつ物足りなさがありました。

改めてスウェーデンでその謎を探してみると、シナモンよりも圧倒的にカルダモンの香りが強いことに気づき、謎は解けました。


加えて胡椒もふんだんに使われています。つまり子どもの菓子パンとは程遠い、大人好みの味だったわけです。

じつはこのスウェーデンを代表するシナモンロール、自宅でつるのに便利な一式がスウェーデンでは簡単に手に入ります。でもコロナ禍では諦めるしかありません。そうなると、かえってどうにも恋しくなり、今回日頃パンづくりは得意ではないのですが、チャレンジをしてみました。


スウェーデン式シナモンロールにかかせないスパイス「カルダモン」

こだわりはもちろんカルダモン(スーパーで手に入るパウダーでOK)。香りを強く抽き出すために、種をミキサーで細かく砕いてみることにしました。


●スウェーデン流大人のシナモンロール





私が今回使用した材料とつくり方はこちら。






【材料(15〜20個分)】

<生地>
牛乳 180cc

ドライイースト 5g

バター 30g

砂糖 30g

塩 少し

カルダモン(シードの場合は細かく砕く。パウダーでも可) 大さじ2分の1

強力粉 300g

<シナモンフィリング>
砂糖 30g

シナモンパウダー 大さじ1

バター(室温でやわらかくする) 30g

<仕上げ用>
溶き卵 適量

パールシュガー(ざらめ、あられ糖でも代用可) 適量

打ち粉用小麦粉 少し

【つくり方】

(1) 牛乳を40度ほどに温めてドライイーストを溶かす。



(2) 小麦粉以外の生地材料を混ぜ、最後に強力粉を加えてゆっくりとこねる。





(3) 丸く成形したら、濡れたふきんをかぶせ(オーブンの発酵モードもしくは室温で約1時間)発酵させる。



(4) 生地を発酵させている間に、分量の砂糖、シナモンパウダー、バーターを混ぜてシナモンフィリングをつくる。



(5) 生地が発酵したら、打ち粉を使って生地を伸ばして(4)のシナモンフィリングを塗り、好きな形に成形します。私の場合、3センチほど厚さで記事をのばしたら15cm×25cm程の長方形を15〜20枚つくりシナモンフィリングを塗ります。上1cmほどを残し縦半分に切りネジネジとさせたら、クルリと丸めてつくりました。



(6) オーブンの天板にオーブンシートを敷き、生地を並べて濡れたふきんをかぶせて2次発酵(オーブンの発酵モードもしくは室温で40〜45分くらい)させる。



(7) 生地が1.5倍ほどになったら、溶き卵を塗り、パールシュガーをまぶし、220℃に予熱したオーブンで10分ほど焼いてでき上がり!




強い香りのシナモンロール、ぜひぜひ試してみてください!

【川上麻衣子さん】



女優。1966年生まれ。14歳でデビューし、数々のテレビ・映画・舞台に出演。愛猫家としても有名で、2018年に仲間とともに一般社団法人「ねこと今日 Neko-to-kyo
」を立ち上げ、理事長を務める。2019年千駄木にサロン「Maj no ma(まいの間)」をオープン。YouTubeチャンネル「川上麻衣子ねこと今日neko-to-kyo
」にて動画も配信中。著書に『彼の彼女と私の538日 猫からはじまる幸せのカタチ
』(竹書房刊)など