一時保管農家から指定廃棄物を搬出 那須塩原で栃木県内初
東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物を巡る問題で、22日那須塩原市の保管農家で暫定集約施設への搬出が栃木県内で初めて始まりました。
2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所の事故で発生した牧草や稲わらなどの農業系指定廃棄物は県内6つの市町の農家の敷地でおよそ10年間に渡って保管されていて、このうち那須塩原市の53戸の農家ではその4割ほどにあたる1216トンを保管しています。
保管農家の負担を減らすため、環境省と市は、これらの指定廃棄物を市のごみ焼却施設「那須塩原クリーンセンター」に暫定集約することにし市内の酪農家から初めて搬出作業が行われました。
搬出されたのは1袋およそ500キロの農業系指定廃棄物が入った袋3つです。
袋をトラックに乗せた後に車両の周囲から改めて放射線量を測り環境に影響がないことが確認されました。
搬入先となるクリーンセンターでは、放射性物質の濃度が基準を下回った焼却灰を一般廃棄物の最終処分場に埋却していて、空いたスペースに市内の農家が保管する農業系指定廃棄物を暫定集約することになります。
順次、農家からの搬出作業が行われ、このうち濃度が基準を下回っている954トンは来年の1月末ころから焼却が行われる予定で、基準を超えている残りの262トンは、この場所で保管を継続します。