「本結び」は、キャンプだけじゃなく防災、救護でも使えるロープワークの基本
<不自由を自由にする野営スタイル>
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
これまでキャンプで使えるロープワーク「もやい結び」「トラッカーズ・ヒッチ」「プルージック・ノット」「巻き結び」「棒結び」の記事を書いてきましたが、抜け落ちていたのが「本結び」。先日のキャンプで多用し、思い出したのがこのロープワークです。消防団でも教えているほど、ロープワークの基本中の基本で、もしかしたら、知らず知らずのうちにやっていたという人もいるかもしれません。
消防団では三角巾で止血したり、固定したりする際にも使うように教えられますが、キャンプの際にはロープとロープをつなぎ合わせて延長したり、薪などを運ぶ時に縛ったりして使えます。
今回はそんな「本結び」をご紹介! 結び方とほどき方に加え、キャンプでどんな時に使用するかを簡単に説明します。
■そもそも「本結び」とは?
本結びは、ロープとロープをつなぐ時や、1本のロープの端と端を結ぶのに重宝するロープワークです。
最大の特徴はしっかりと結べるのに、簡単にほどけるところ。キャンプの設営と撤収は短時間で行いたいので、しっかり結べて、すぐ解けるということは重要になってきます。
■わずか数秒!結び方の4ステップ
本結びは工程もわずかで、慣れればほんの数秒で結べるほど簡単です。下に4ステップの工程を記載しましたので、ぜひ試してみてください。
【ステップ1】…結びたいロープを交差させる
2本のロープまたは、1本のロープの端と端を交差させてください。写真では右手に持ったロープ(緑)を上にしていますが、どちらが上に来ても構いません。
【ステップ2】…上側のロープを下のロープに巻きつける
ステップ1で上にしたロープ(緑)を、下のロープ(赤)に上から巻きつけます。
【ステップ3】…左に来たロープを上にして交差させる
巻きつけたロープの端と端を交差させます。ここで重要なのは、ステップ1で交差した時と同じ(色の)ロープを上にしましょう! これを間違えると、完成しません。
【ステップ4】…上のロープを下のロープに巻きつけて完成
上の(緑色)ロープを赤いロープに上から巻きつけ、短いロープを左右に引っ張ります。
ギュッと引っ張り、上の写真のように結べたら完成です。
■本結びのほどき方
本結びは、固く結べて、ほどきやすいのが特徴と説明しましたが、ほどき方も本当に簡単。数秒で解けますので、やってみてください。
ほどく際は、右でも左でもどちらでもいいのですが、今回は赤いロープで説明します。
結んだ際にできた、左側の短いロープ(赤)を右手で持って、同じく赤いロープの長い方を左手で持って、それぞれの手の方向に引っ張ります。
すると上の写真のような状態になります。
その後、緑のロープの結び目を持って赤いロープを左に引くと、簡単にほどけます。
■キャンプで本結びを使用する2つのシチュエーション
それでは実際にどのようなシーンで、本結びを使うかを解説します。私がこの結び方をよく使うのは2つのシチュエーションです。
1つ目は、ロープとロープとを結んで、木と木の間にガイドロープを張る場合です。
緑のロープと赤いロープをつなげて、幕と木とを結んでいます。結びたい木と木の間が、持っているロープより長い場合にとても役に立ちます。
2つ目は、輪っかを作って、薪を運ぶ時です。
1本のロープの端と端を本結びで結ぶと、輪っかができます、この輪っかを使えば、大量の巻を運ぶのにも使えます! ちなみに私が使っているロープは4mのパラコードです。
いかがでしたでしょうか? 本当に簡単にきつく結べて、ほどける「本結び」。キャンプのみならず、さまざまな場所で活躍するので、靴紐など身近な紐で試してみてください!
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(文・写真/RYU)
RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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