2021年のフラッグシップiPhone 13(仮)シリーズではProモデルのみが120Hz画面を搭載されると噂されるなか、2022年のiPhone 14(仮)では全モデルが120Hz対応になる可能性を示唆するサプライチェーン情報が届けられています。

iPhone 13 ProおよびiPhone 13 Pro Max(ともに仮称)には、近年のiPad Proと同じく120Hz表示に対応したディスプレイが採用されるとの噂は、たびたび報じられてきたことです。しかしiPad Proと違って、近年のフラッグシップiPhoneは有機ELディスプレイであり、同じ技術が使えるわけではありません。

そうした120Hz表示を有機ELディスプレイで実現するハードルを下げるのが、LTPO(低温多結晶​酸化物)技術だと予想されています。LTPOとはディスプレイのバックプレーン技術、つまり液晶や有機ELを制御する回路基板技術のこと。従来のLTPS(低温ポリシリコン)技術よりも電力消費が少なく、iPhoneの画面を従来の60Hzから120Hzに引き上げることに伴う消費電力の増加を相殺するためにも必要というわけです。

さて、韓国の業界情報誌The Elecによれば、今年後半に発売予定のiPhoneシリーズのPro(iPhone 13 Pro/Pro Max)には120Hz表示をサポートするLTPO技術が採用され、サムスンディスプレイによって供給されるとのことです。

ここまでは既報の裏付けにすぎませんが、LGディスプレイも来年(2022年)アップルに供給するため、生産ラインをLTPO有機ELに転換する予定と伝えられています。これまでLGディスプレイはProモデルではないiPhone向けディスプレイを製造してきたことから、ローエンドモデルでも120Hz表示できる可能性が強まったと言えます。

今回のThe Elec報道は、今年4月にディスプレイ専門アナリストRoss Young氏がTwitterで示唆していたこととも一致しています。近年のハイエンドスマートフォンでは有機EL画面で120Hz表示も珍しくはなく、むしろiPhoneの対応がここまで遅れたのは意外とも思えますが、バッテリー持続時間を重視する傾向のあるアップルとしては、省電力を支えるLTPO技術の成熟を待っていたとも推測されます。

標準モデルでも120Hz対応する可能性はうれしいニュースとはいえ、iPhone 14世代では5.4インチモデルは廃止されることが確実視されており、持ちやすいminiモデルを愛用している人は複雑な思いを抱くかもしれません。

Source:The Elec

via:MacRumors