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住友商事と東急は携帯通信事業者向けに5Gを中心とした基地局シェアリングサービスを提供するSharing Design株式会社(シェアリングデザイン)を設立したことを発表した。

●基地局シェアリングへのニーズが高まっている

5Gは超高速・超低遅延・多数同時接続の通信を実現する次世代通信技術であり、IoTの普及や自動運転、遠隔診療といったスマートシティ構想にも必要不可欠な技術として期待されている。一方で、5Gの特性上、1基地局あたりのカバーエリアは4Gと比べて狭く、多くの基地局を必要とするため、携帯通信事業者の設備投資負担増や都心部における用地不足が課題となっている。そのため、携帯通信事業者がそれぞれ基地局を設置するのではなく、基地局を共用する「基地局シェアリング」のニーズが高まっている。

基地局シェアリングは欧米各国ではすでに高い水準で広がっており、今後日本でも効率的かつ迅速に5Gエリアを拡大できる基地局シェアリングへの需要増加が期待されている。また、総務省も「ICTインフラ地域展開マスタープラン3.0」などの中で、基地局シェアリングの推進を目標の一つに掲げている。

●5Gインフラの早期整備を推進するSharing Design

Sharing Designは5Gインフラの早期整備を推進するため、2021年6月を目途に渋谷マークシティ内施設での実証実験を実施し、その後7月を目途に携帯通信事業者向け基地局シェアリングサービスの提供を開始。2021年度中には東急線各駅および東急の商業施設を中心に約100拠点で基地局設置を目指す。さらに、住友商事がスマートシティの実現に向けた協定を締結している広島大学・東広島市や、東急がグローバル拠点都市の形成などに関する包括連携協定を締結している渋谷区・保有アセットの公開を予定している港区などの自治体、鉄道事業者や商業施設事業者との取り組み・協業も検討しており、さらなる拡大に向けて推進していく。

【Sharing Design株式会社 概要】:

・社名

Sharing Design株式会社

・設立日

2021年2月22日(月)

・出資割合

住友商事80パーセント、東急20パーセント

・所在地

東京都渋谷区

・Webサイト

https://www.sharingdesign.co.jp

●渋谷マークシティ内施設での実証実験

渋谷マークシティ内施設での実証実験は住友商事が運用開始する共用基地局が、携帯端末と想定通りの通信を行なえるか確認するもの。また、通信事業者が個別に設置する基地局と、シェアリング用の基地局の両方がカバーしている環境において、基地局間の相互干渉や、他の基地局の接続に切替える際の技術検証を実施予定。



基地局シェアリングによる構築イメージ(共用装置、共用アンテナを使用することで、設備の簡潔化、コスト減に繋がる)



共用装置親機



共用装置子機



共用アンテナ表



共用アンテナ裏

●住友商事と東急について

住友商事は国内でのケーブルテレビ事業、通信事業者へのサプライチェーンマネジメント事業に加えて、海外での通信事業や通信タワー事業など多様な情報通信事業を展開しており、5G分野でもさまざまな取り組みを進めている。これらの知見・ノウハウを最大限活用し、基地局シェアリングの早期実用化および5Gネットワークの早期構築に貢献するべく2021年2月には5G事業部を新設した。5G・ローカル5Gを活用し、住友商事グループの総合力を発揮した次世代ビジネスの創出に取り組んでいく。

東急はシェアリングデザインを通じて早期に渋谷駅周辺の5G環境を整えることで、新たな取り組みが生み出される「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現を目指す。また東急線各駅、商業施設などにも5Gを展開し、5Gを活用した新たなサービスを検討・導入することで「日本一住みたい沿線 東急沿線」の実現を目指す。

(山田 航也)