サウナを舞台にした漫画がドラマ化されたり、芸能人が全国のサウナ施設を巡るテレビ番組が始まったり...。

サウナの人気は年々高まりをみせ、愛好者は「サウナー」と呼ばれている。そんな中、サウナ利用者のマナーについてネット上には、

「水風呂潜るマン大嫌い」
「汗流さずに水風呂入ってくるおっさんウザい」

などと苦言を呈するユーザーの書き込みが少なくない。

このような利用者の思いを減らすために、ツイッター上で「#水風呂は潜らない」「#必ずかけ湯で汗流し」「#ルールを守って快適に」などと、ハッシュタグをつけて「マナー向上」を促す温泉施設がある。万葉俱楽部が運営する「旭川高砂台 万葉の湯」だ。

たとえば、こちらの投稿を見ていただきたい。

プカプカと水風呂に浮かび、こちらを見つめているのは赤い帽子が目印のアヒル隊長。「マナー向上」を投稿で促す際は、決まってアヒル隊長(とその部下)が登場する。その姿は、ツイッター上でサウナ利用の際の「お手本」とも言われている。

「一人でもマナーが悪い方がいらっしゃると...」


水風呂にプカプカ(画像は旭川高砂台 万葉の湯(@manyo_asahikawa)から、以下同)

筆者も週に1度は利用するサウナー(?)だが、その度に水風呂で頭まで浸かる人を目にする。施設によっては潜水可能な場所もあるものの、基本的には、NGである場所は多い。

旭川高砂台・万葉の湯(以下、旭川高砂台)もまた、潜水はNGだ。Jタウンネットが、同施設のツイッターの「中の人」に10月3日、その理由を聞いてみると

「潜ると髪の毛が浮いてしまう等の衛生面の観点から、潜水は禁止としています。またかけ湯についても、衛生面の観点から一度汗はしっかり掛け流すというのをお願いしております」

という。実際に潜水などをする人は少ないそうだが、POPの掲示やスタッフの声かけなどの対策を取っているという。

「幸いな事に大多数のお客様はお守り頂いております。ごく少数でホントたまにいらっしゃる感じでございます。対策に関しては、対策POPや、巡回を強化しております。他にも、何か問題があれば、浴場を出てすぐにフロント直通の電話がございますので、そちらにも電話頂ける形を取らせて頂いております」

旭川高砂台・万葉の湯は、20年9月頃に紙媒体で施設の広告を掲載。マナー向上のツイートをする理由について「(広告を掲載したことで)新しいお客様が増えてきそうな気配がしたので改めて、サウナが初めての方向けに投稿致しました」と話す。

ハッシュタグ「#旭川サウナマナー向上委員会」について担当者は、

「同じ室内に、一人でもマナーが悪い方がいらっしゃると周りが不快になり、その日一日、最悪な気分で過ごす。この様な思いを減らせれば良いなと思いまして勝手に命名しちゃいました」

という。そんなハッシュタグとともに投稿に登場するアヒル隊長たちは、水風呂に潜らなかったり(浮かんだり)、サウナ室退室後はかけ湯をしたり、利用者にとっての「お手本」となっている。


サウナで汗をかいたら、かけ湯で一度汗を流してね

コロナ禍でのサウナマナーとは?

時は、コロナ禍。施設では、サウナ入り口前に「会話はご遠慮ください」「ソーシャルディスタンス」POPを掲示し、サウナ室内には座席に「×マーク」を付け「ここは座れません板」も用意しているという。

「アヒル隊長及び部下の方々なのですが『サウナ室内・ととのい椅子でもソーシャルディスタンスを守ってととのっております』と述べておりました」

と担当者。


「アヒル隊長と仲間達もソーシャルディスタンス継続中です」。アヒル隊長の部下が距離を保っている

こうした施設側の発信に、ツイッターでは

「よい子のお見本」
「心身共にサウナで気持ちよくなるための大切なマナーですね」
「アヒル隊長 サウナで溶けそうになりながら、みんなに大事なことを教えてくれてる。サンキューです」

といった声が寄せられている。

もちろん1人1人のお客が、マナーを守ることが第一だ。それでも、施設側が発信してくれると、利用者としては安心できるだろう。

「施設としては、皆でルール、マナーを守って皆様が快適にお過ごしして頂くことを望むばかりで御座います。一人は皆のために、みんなは1つの目的(水風呂)の為に!!」(担当者)