トイレットペーパー盗難防止対策をめぐり、「道の駅かつら」(茨城県・城里町)の公式ツイッターによる、こんな投稿が話題になっている。

「突然ですが当店、トイレのペーパー窃盗が多く、尋常でない数が不明になってます。TV等で紹介されていた某ホームセンターの対策をすがる様な気持ちで真似てみたところ『かなりの数が販売された』とたった今レジから報告がありましたのでお知らせ致します。(ちがう。そうじゃない)」


皮肉で掲示した貼り紙(画像は道の駅かつら公式ツイッターより)

道の駅かつらがとった盗難対策は、トイレに置かれたトイレットペーパーに「値段」をつけるというもの。道の駅かつらが投稿した貼り紙には、

「大好評販売中
当店で使用のトイレットペーパー
盗まれるくらい『好評』なので
販売いたしております
お手数ですがレジへお持ちください
1巻 50円(税込)」

と記載されている。

文面からわかるように、これはトイレットペーパーを販売しているという告知ではなく、盗難犯に対する皮肉。これで少しは抑制できるはず...道の駅のスタッフはそう思いながら掲示したことだろう。

しかし結果、思わぬ展開に。本当にトイレットペーパーを購入する人が現れたのだ。

担当者「本当に売るはめになるとは」

Jタウンネットは2020年10月1日、道の駅かつらの広報担当者に詳しい話を聞いた。

道の駅かつらは国道123号沿いに位置。キャンプやバーベキューを楽しめる「ふれあい広場」に隣接している。

担当者によれば、事の発端は9月19〜22日の4連休。トイレットペーパーが大量に盗まれたのだという。補充しても次から次へとなくなり、全部で90〜120個ほどなくなったそうだ。

そこで対策として実践したのが、この貼り紙。テレビ番組で紹介されていた方法を道の駅スタッフが話しているのを聞き、担当者が制作した。

貼り紙を掲示したのは29日。するとトイレットペーパーは7、8個ほど一気に売れてしまい、先述のツイートに至る。

「あれは遠回しの嫌味なんですよ。いかに持っていかれないかということなので、販売は考えておりません」

貼り紙の真意をこのように説明する担当者。実際に購入者がいたことについては、

「必要なんでしょうね。ただ本当に売るはめになるとはと正直驚いています」

と話した。

トイレットペーパーは4〜12ロールほどがまとめてあるものを買うのが一般的。何かの記念品だったり、特別なパッケージだったりする場合を除けば単品で売られていることも、買うこともあまりないだろう。

トイレットペーパーが売れた理由を担当者に聞いてみると、

「難しいですね...。ただ、盗んでいくときの心境は『1個ぐらいいいべ』ぐらいだと思います。そこに値段がつくと、少しくらいは罪悪感が生まれて『だったら金払って堂々と持ってくべ』みたいな気持ちなんじゃないですか」

と推測。購入者と盗んだ犯人は同じなのか、なぜ単品のトイレットペーパーを買っていったのか...。その真相は、本人にしかわからない。