川崎市民のソウルフードといえばコレ! 新しいけど懐かしい「ニュータンタンメン」カップ麺を食べてみた
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界第三十九回 「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第三十九回目は、川崎のご当地ラーメン「ニュータンタンメン」を再現したカップ麺、サンヨー食品の「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」をご紹介していきます。
ニュータンタンメンは川崎のソウルフード
「元祖ニュータンタンメン本舗」は、川崎市に本店を構え、川崎や横浜、東京などで35店舗以上展開している、「ニュータンタンメン」でおなじみのお店です。創業56年の老舗で、黄色地に黒や赤の文字の看板は、神奈川や東京ではよく見かけるおなじみの光景かと思われます。
お店の看板メニューは、店名にもなっている「タンタンメン」。
「スタミナがつく料理を」という理念のもと、中華料理の担々麺をもとに、豚ガラベースに唐辛子やニンニクを効かせ、かきたまをたっぷり入れた一杯。タンタンメンとは言っても、練りごまを使った一般的な担々麺とはだいぶ異なっており、川崎のソウルフードとも言われる、知る人ぞ知るご当地ラーメンです。
お店では、海苔、メンマ、チーズ、ニラ、バターコーンなど多くの種類のトッピングが用意されており、辛さも控えめからメチャ辛まで5段階から選択することができます。
内容物を確認
別添の袋は入っていません。フタを開けると、麺やスープ粉末とともに、かきたまや唐辛子、挽肉などが入っているのが確認できます。
かきたまや唐辛子がたっぷり入っていますが、挽肉はちょっと少なそうです。黄と赤のカラーが鮮烈です。
ニンニクやごま油がやさしく香るスープ
豚ガラと鶏ガラがベースの、やさしい味の塩味スープです。「ニュー」とつく新しいタンタンメンですが、現代風の分厚くて鋭角なだしの味ではなく、むしろ昔懐かしいあっさり味。やわらかさの中にほのかに甘みがありました。創業56年の歴史を感じる味という印象です。
やさしい味のベースに、ニンニク、唐辛子、そしてごま油の風味でパンチを加えています。ただ、二郎系のラーメンのようにニンニクのキレが鋭いわけではなく、ごま油もやさしく香る程度です。やさしいスタミナ系スープといったところでしょうか。
辛さは中辛程度
スープはちょっと赤っぽいですが、一般的な担々麺のような、ラー油で真っ赤になっているような感じではなく、ちょっと澄んだ色をしています。
辛味はピリ辛〜中辛程度で、驚くような辛さではありません。お店で選べる5段階の辛さのうち1番人気の「中辛」が再現されているようです。お店で「メチャ辛」を選ぶと、真っ赤に染まった今風の激辛スープを楽しむことができます。
弾力があって縮れのついた油揚げ麺
麺は中細の油揚げ麺で、縮れが強くついています。弾力がある麺でほのかな甘みがあり、スープの甘みを増幅させていました。
お店の麺はストレート形状でもうひとまわり太いので、見た目があまり近いとは言えませんが、もちもちした食感は共通しています。お店に比べて主張の少ない麺ですが、スープもあっさり系なのでバランスはよく取れています。
かきたまと粗挽き唐辛子
具として入っているのは、かきたま、挽肉、粗挽唐辛子。かきたまはたくさん入っていて、黄色い見た目と甘みで目立っています。特に甘みは、スープや麺にもついています。ニンニクや辛味のスタミナ系の味が特徴と思わせつつ、実はその中で感じられるやさしい甘みが最も印象に残る一杯だと感じました。
粗挽きの唐辛子は、辛味とともに食感でも目立っており、ちょっとかための食感がアクセントになっています。また、かきたまと唐辛子による黄と赤のコントラストもインパクトがありました。
一方で、挽肉は量が少なくてあまり目立っていませんでしたが、お店でもあまり多く入っておらず、ファンの間では挽肉はダブルで注文するのがオススメとなっているようです。
懐かしさを感じる一杯
川崎のソウルフード、ニュータンタンメンのカップ麺を食べてきました。ニンニクや辛味よりも、豚鶏ガラの角の丸いやさしさや、スープ、麺、そしてかきたまのそれぞれから感じられる甘みから感じられる懐かしい味わいが印象的な一杯でした。
ニンニクと辛味のスタミナ系のラーメンでは奈良の天理ラーメンが、かきたまたっぷりの辛いラーメンでは宮崎辛麺が近い存在ですが、今回の一杯はそれらよりだいぶやさしい味でした。
お店のニュータンタンメンはもっと辛くしたり、ニンニクをたくさん入れたりすることが可能なので、いつかもっと尖ったニュータンタンメンカップ麺も食べてみたいです。