放送時間は22時を過ぎたが...(画像は番組公式サイトより)

名台詞「倍返しだ!」でお馴染みの日曜ドラマ「半沢直樹」(TBS系)。物語の本筋だけでなく、出演者たちの「顔芸」や迫真の演技も見どころの人気作品だ。

2020年9月27日放送の最終回を目前に期待が高まっているが、その影響は意外なところにも。ツイッターではこんな投稿が話題になっている。

「本来なら10時消灯のところを半沢直樹が終わるまで7分待ってくれたさんふらわあにもっとみんな乗ってあげて #さんふらわあ#半沢直樹

これはツイッターユーザーのComin' Joe(@Hierarchie48)さんが、「半沢直樹」第9話が放送された2020年9月20日に投稿した内容だ。

Comin' Joeさんが乗船していた、「フェリーさんふらわあ」(本社・大分市)の船では、通常より15分拡大した20日の「半沢直樹」の放送終了時刻に合わせ、消灯時間を少しずらしてくれたという。

船の消灯時間にまで影響を与えるとは、「半沢直樹」恐るべし...。9話の途中で切られずに済み、乗船していた半沢ファンは喜んだことだろう。

ツイッターではComin' Joeさんの投稿に対し、

「日本が半沢直樹を中心に回ってるんですね。分かります。」
「さんふらわあの素晴らしい対応に感動!」
「なんて、粋な計らい。この船に乗りたいです!」

といった声が寄せられている。

また、同じ船に乗っていたと思われるユーザーからは、

「今まさにさんふらわあ乗ってるんだけど確かに半沢直樹終わるまで電気ついてたわ」

とのコメントも。「フェリーさんふらわあ」の心遣いに注目が集まっている。

投稿者「ハラハラしていた」

Jタウンネットは9月24日、投稿者のComin' Joeさんに当時の状況を詳しく聞いた。

一人旅をしていたというComin' Joeさんは「フェリーさんふらわあ」の大阪-別府間に乗船。マットレス等が用意された相部屋の客室に泊まり、備え付けのテレビで「半沢直樹」を見ていた。

部屋ではComin' Joeさん以外の乗客も「半沢直樹」を見ており、タイミングによっては笑い声がしていたという。

しかし21時30分ごろ、無情にも「22時消灯」の船内アナウンスが。「半沢直樹」の放送時間は21時〜22時だが、先述の通り同日の放送は15分拡大版。Comin' Joeさんは「本当に消灯されたら悲しいなと思いつつ、ハラハラしていた」と当時を振り返る。

そして迎えた22時――室内は消灯されず、「半沢直樹」は最後まで放送された。

「ハラハラしてたところ、(消灯時間が)普通に延長されました。ドラマが終わり、次回予告に入ったタイミングで(テレビが)切れたので、ありがとう!と思った次第です」

Comin' Joeさんはその時の喜びをそう語った。

「ささやかですが『恩返し』です」

「フェリーさんふらわあ」は、本当に「半沢直樹」の終了時刻に合わせて消灯時間を変更したのだろうか。

Jタウンネットは9月24日、同社の旅客営業部に詳細を聞いた。

担当者によれば、「半沢直樹」の終了時刻に合わせて消灯時間を遅らせたのは事実。消灯時間が関係するのは船内のパブリックスペースと相部屋の客室で、通常であれば22時になると暗い照明に切り替わり、テレビも消えるという。

半沢直樹」の終了まで消灯を待った理由について、担当者は、

「船のスタッフの中にも、休暇中『半沢直樹』を楽しみに見ている者がいます。当日も大部屋のお客様の中に『半沢直樹』を見ている方がいらっしゃったので、終わるまで少し待ったと聞いております」

と説明した。

担当者によれば、「フェリーさんふらわあ」では、その日の乗客の様子を見てサービスを行っており、今回の対応もその一環。このような対応は現場スタッフに一任しているため、これまでに同様の事例があったかはわからないという。

ここで気になるのが、「半沢直樹」の次回放送。27日の最終回も15分拡大版だが...消灯時間は延長されるのだろうか。

担当者に聞くと、

「当日のお客様の状況もまちまちだと思うので、その日の現場の判断に委ねてております。絶対にしよう、絶対にするなというのはありません」

とのことだった。

Comin' Joeさんの投稿には「フェリーさんふらわあ」の公式ツイッターが反応。投稿を引用リツイートする形で、「ご乗船いただいたお客さまに、ささやかですが『恩返し』です」と21日に投稿している。

取材に応じた担当者は、当時の対応がツイッターで話題になったことについて、

「(反響は)予想していなかったので、ドラマの影響力に驚いています。4連休でお客様も少しずつ戻ってきているので、これを機会に船の存在や、中の様子を知っていただけたら思います」

とコメントした。