『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』よりゾーラ・バーチ演じるベッカ(右)
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 『ミッドサマー』などを生んだインディペンデント系映画制作スタジオA24と、ブラッド・ピットの制作会社プランBが、『ムーンライト』以来のタッグを組んだ組んだ新作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(10月9日公開)。本作から、2001年の映画『ゴーストワールド』でヒロイン・イーニドの15年後の姿をイメージした作り上げたというキャラクターの場面写真が公開された。

 『ゴーストワールド』は、アメリカのティーンエイジャーのバイブルと言われたダニエル・クロウズの人気漫画を、『アメリカン・ビューティー』(1999)のゾーラ・バーチ主演で映画化した青春映画。高校を卒業したものの進路を決められずにいたイーニド(バーチ)が、ブルースオタクである中年男(スティーヴ・ブシェミ)と奇妙な絆をはぐくんでいくストーリー。イーニドの親友をブレイク前のスカーレット・ヨハンソンが演じたほか、故ブラッド・レンフロさんも印象的な役で出演していた。

 20年近くが経った今も多くの映画ファンから愛される同作だが、『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』のメガホンを執ったジョー・タルボットもその一人。映画監督を目指すきっかけともなった語るジョーが、憧れの存在であるバーチに出演を熱烈オファーし、出演が実現した。

 バーチが演じるのは、髪を赤に染め黒の革ジャンを着たベッカという女性。このキャラクターは、ジョーが「(『ゴーストワールド』の)15年後のイーニドがサンフランシスコにあるIT企業の技術職に就職したら……?」というイメージで作り上げたという。場面写真には、友人とバスに乗るベッカがサンフランシスコに「クソな街」と不満を漏らすシーンが収められている。

 よく見るとベッカの右肩のストラップ部分に黒ぶちメガネがかけられているが、これは『ゴーストワールド』でイーニドが着用していたもの。バーチ本人のアイデアで実現したという。

 本作は、急速な発展によって地価が高騰し変容するサンフランシスコを舞台に、この地で生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)が、今や観光名所となった祖父の家を取り戻すために奔走するさまが描かれる。(編集部・石井百合子)