ふるさと納税でできる生産者支援。普段は味わえない食材も豊富
新型コロナウイルスがピークの際は、休校やお店の休業などが相次ぎ、食材の行き場を心配する声が多く上がりました。通常営業に戻っている事業者も多いですが、「まだまだ私たちにできることはあります」と教えてくれたのは、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さん。
今回は、お取り寄せやふるさと納税を通じた支援について教えてもらいました。
行き場のない野菜やお肉を買うことは生産者さんの支援につながります(※写真はイメージです。以下同)
新型コロナウイルスの影響で、食材の在庫が過剰となり行き場を失っているというニュースを目にしたことはありませんか。そういったニュースを見るたびに、安くスーパーに卸してくれたら買えるのに…と思う方も多いと思います。とはいえそう簡単にいかないのが流通の世界でしょう。そもそもそれら食材は、給食用の牛乳として生産されていたものや、高級レストランで提供される予定だった和牛など、そもそも卸し先が違う商品であることが多く、簡単には街のスーパーなどへ置くことは難しいものがほとんどです。
学校給食で提供されるはずだった牛乳に関しては例外で、大手コンビニがホットミルク半額として提供したり、スーパーなどでも販売されました。
ところが、行き場を失っている状態の食材はとても多く、冷凍や冷蔵などで出荷を止めていたとしても、その間のコストはかかります。製品を売ることができなければ、運転資金の現金も入りませんから事業の存続も危ぶまれます。
こうした食材をネット販売に切り替えたり、生産者と消費者とをつなぐ食材レスキューサイトやクラウドファンディングサービスへの出品などで、買うことができるようになっています。
●生産者から買うならここ!おすすめサイト
・ポケットマルシェ
農家・漁師から直接食材を買えるオンラインサイトです。ハッシュタグ「#新型コロナで困っています」で絞り込むと、対象の商品一覧を見ることができます。
・REACH STOCK
もともと、高級料理店など食材にこだわるお店に食材を販売するサイトですが、産地支援のため一般販売しています。
これらは一例ですが、ほかにも多くのサイトで生産者支援を行っています。国内最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE」などでもたくさん募っています。
●ふるさと納税の「緊急支援品」で支援するエシカル消費
各自治体は、新型コロナウイルスの影響で著しく消費が減った農水畜産物や特産品などを消費拡大を目的として「緊急支援品」をふるさと納税の返礼品にしています。
ふるさと納税については、2019年6月から「返礼品は地場産品であること」、「返礼品は寄附金額の3割以下であること」という基準が決まり、この基準を守らない自治体は、ふるさと納税制度の対象外となり、過熱したふるさと納税に待ったをかける形になりました。以前と比べておトク感が薄れた感のあるふるさと納税、所得によって上限はありますが、寄付金控除を受けることができることには変わりません。
ふるさと納税で受けられる寄附金控除には「確定申告」と「ワンストップ特例制度」があり、「確定申告」をした場合は、所得税の還付と翌年の住民税の税額控除がされます。サラリーマンを対象とした最大5自治体の寄付で利用できる「ワンストップ特例制度」は、翌年分の住民税から税額控除を受けることができます。実質2000円の自己負担で、地方の特産品が受け取れる納税者にとってはうれしい制度ですね。
ふるさと納税の「緊急支援品」の特徴としては、学校の休校でキャンセルになった食材や、外国人観光客の減少により土産物として売られている名産品や特産品、工芸品など、ホテルや飲食店へ卸す予定だった食材、大型イベントで出す予定だった食材や土産物と多肢に渡ります。中には、ブランド牛やブランド米、フルーツなどの高級食材など普段ではなかなか食すことができないものだけではなく、お肉でも通常の返礼品よりも増量されていたり、普段では取り寄せができないものなど、おトク感があるものもあります。
●支援も大切。でも、身の丈に合った無理のない範囲から
こうした行動は、「エシカル消費」にもつながると言えます。「エシカル消費」とは、人や地球環境、社会、地域に配慮した消費やサービスのことを言います。ふるさと納税の「緊急支援品」にあてはめると、応援したい自治体やサービスに寄付をして、廃棄処分や値下がりの危機にある商品を返礼品としてもらい、ムダなくいただくことで環境にも配慮できることになるでしょう。
このような活動はしばらく続くかと思いますが、外出自粛要請が解除された今では徐々に商品が観光客など通常の販売ルートに乗れば終わることもありますので、気になる返礼品がある場合は早めに寄付をしましょう。
注意点とコツとしては、ふるさと納税の寄付金額の上限をあらかじめ調べておくことです。上限を超えた部分はお取り寄せとなってしまいます。また、収入が多い人の名義でする方が、より多くの寄付に充てることができます。また、新型コロナウイルスの影響などで2020年度の収入が大きく変わる場合は、寄付の上限額も変わるため、その可能性がある方は注意をしてくださいね。
●教えてくれた人
【丸山晴美さん】
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。所持資格はFP技能士2級、宅地建物取扱主任士(登録)、調理師、消費生活アドバイザーなど。クックパッドニュースで「丸山晴美の食費節約レッスン
」の連載を持つ。著書に『定年後に必要なお金「新・基本のキ」
』『簡単! しっかり貯まるお金の基本
』(共に宝島社刊)、新刊『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します
』(幻冬舎刊)など多数
今回は、お取り寄せやふるさと納税を通じた支援について教えてもらいました。
コロナで影響があった生産者を支援する方法
行き場のない野菜やお肉を買うことは生産者さんの支援につながります(※写真はイメージです。以下同)
新型コロナウイルスの影響で、食材の在庫が過剰となり行き場を失っているというニュースを目にしたことはありませんか。そういったニュースを見るたびに、安くスーパーに卸してくれたら買えるのに…と思う方も多いと思います。とはいえそう簡単にいかないのが流通の世界でしょう。そもそもそれら食材は、給食用の牛乳として生産されていたものや、高級レストランで提供される予定だった和牛など、そもそも卸し先が違う商品であることが多く、簡単には街のスーパーなどへ置くことは難しいものがほとんどです。
学校給食で提供されるはずだった牛乳に関しては例外で、大手コンビニがホットミルク半額として提供したり、スーパーなどでも販売されました。
ところが、行き場を失っている状態の食材はとても多く、冷凍や冷蔵などで出荷を止めていたとしても、その間のコストはかかります。製品を売ることができなければ、運転資金の現金も入りませんから事業の存続も危ぶまれます。
こうした食材をネット販売に切り替えたり、生産者と消費者とをつなぐ食材レスキューサイトやクラウドファンディングサービスへの出品などで、買うことができるようになっています。
●生産者から買うならここ!おすすめサイト
・ポケットマルシェ
農家・漁師から直接食材を買えるオンラインサイトです。ハッシュタグ「#新型コロナで困っています」で絞り込むと、対象の商品一覧を見ることができます。
・REACH STOCK
もともと、高級料理店など食材にこだわるお店に食材を販売するサイトですが、産地支援のため一般販売しています。
これらは一例ですが、ほかにも多くのサイトで生産者支援を行っています。国内最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE」などでもたくさん募っています。
●ふるさと納税の「緊急支援品」で支援するエシカル消費
各自治体は、新型コロナウイルスの影響で著しく消費が減った農水畜産物や特産品などを消費拡大を目的として「緊急支援品」をふるさと納税の返礼品にしています。
ふるさと納税については、2019年6月から「返礼品は地場産品であること」、「返礼品は寄附金額の3割以下であること」という基準が決まり、この基準を守らない自治体は、ふるさと納税制度の対象外となり、過熱したふるさと納税に待ったをかける形になりました。以前と比べておトク感が薄れた感のあるふるさと納税、所得によって上限はありますが、寄付金控除を受けることができることには変わりません。
ふるさと納税で受けられる寄附金控除には「確定申告」と「ワンストップ特例制度」があり、「確定申告」をした場合は、所得税の還付と翌年の住民税の税額控除がされます。サラリーマンを対象とした最大5自治体の寄付で利用できる「ワンストップ特例制度」は、翌年分の住民税から税額控除を受けることができます。実質2000円の自己負担で、地方の特産品が受け取れる納税者にとってはうれしい制度ですね。
ふるさと納税の「緊急支援品」の特徴としては、学校の休校でキャンセルになった食材や、外国人観光客の減少により土産物として売られている名産品や特産品、工芸品など、ホテルや飲食店へ卸す予定だった食材、大型イベントで出す予定だった食材や土産物と多肢に渡ります。中には、ブランド牛やブランド米、フルーツなどの高級食材など普段ではなかなか食すことができないものだけではなく、お肉でも通常の返礼品よりも増量されていたり、普段では取り寄せができないものなど、おトク感があるものもあります。
●支援も大切。でも、身の丈に合った無理のない範囲から
こうした行動は、「エシカル消費」にもつながると言えます。「エシカル消費」とは、人や地球環境、社会、地域に配慮した消費やサービスのことを言います。ふるさと納税の「緊急支援品」にあてはめると、応援したい自治体やサービスに寄付をして、廃棄処分や値下がりの危機にある商品を返礼品としてもらい、ムダなくいただくことで環境にも配慮できることになるでしょう。
このような活動はしばらく続くかと思いますが、外出自粛要請が解除された今では徐々に商品が観光客など通常の販売ルートに乗れば終わることもありますので、気になる返礼品がある場合は早めに寄付をしましょう。
注意点とコツとしては、ふるさと納税の寄付金額の上限をあらかじめ調べておくことです。上限を超えた部分はお取り寄せとなってしまいます。また、収入が多い人の名義でする方が、より多くの寄付に充てることができます。また、新型コロナウイルスの影響などで2020年度の収入が大きく変わる場合は、寄付の上限額も変わるため、その可能性がある方は注意をしてくださいね。
●教えてくれた人
【丸山晴美さん】
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。所持資格はFP技能士2級、宅地建物取扱主任士(登録)、調理師、消費生活アドバイザーなど。クックパッドニュースで「丸山晴美の食費節約レッスン
」の連載を持つ。著書に『定年後に必要なお金「新・基本のキ」
』『簡単! しっかり貯まるお金の基本
』(共に宝島社刊)、新刊『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します
』(幻冬舎刊)など多数