（株）ラブリークィーン（TDB企業コード：847023569、資本金1000万円、岐阜県岐阜市加納寿町4-1、代表岡部怜仁氏）は6月16日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

　破産管財人は堂野達之弁護士（東京都中央区銀座1-5-8、堂野法律事務所、電話03-5524-7727）。 当社は1964年（昭和39年）2月に設立されたレディースフォーマルウエアの製造卸売業者である同一商号のラブリークィーン（株）（本社同所：現商号（株）ISO、2019年8月、特別清算）の事業を引き継ぐ目的で2018年（平成30年）1月に設立された。

　前身会社よりレディースフォーマルウエア業界では高い知名度を有し、年商規模も100億円を超え、高いシェアを持っていた。事業拡大意欲も旺盛で、2006年9月には破綻した同業者の百貨店部門の営業権を買収し、百貨店への営業を強化した。しかしリーマン・ショック以降、個人消費の低迷や百貨店業界を取り巻く厳しい営業環境から、百貨店部門の業績は計画通り進捗せず、部門からの撤退を余儀なくされ、業績改善のために事業の見直しを図り、新たな成長を見据え自社ブランド開発と小売店の出店を進めていた。

　しかし、業績悪化に歯止めがかからず大幅な赤字となり、借入負担も重く資金繰りは厳しい状況が続いていた。この間も収益状況に改善が見られず、単独での再建は難しいと判断しスポンサーを探すなか、美容事業からIT事業まで幅広く事業展開を行っているRVH（東証2部上場）が2017年12月に支援に名乗りを上げ、同社グループの傘下に入ることとなった。その後、前身会社は2018年1月23日に会社分割を行い、新たに同商号の当社を設立し、事業はすべて当社が承継し全社員も転籍した。また、事業を行っている本社不動産は当社に分割された。

　ただしその後も、アパレル業界を取り巻く環境は悪化を続け、ここに来て新型コロナウイルスの影響もあって、商業施設の休業ほか、卒業式・入学式の中止、家族葬の増加等もあり、足下の売り上げが大幅に低下し、収益性も急激に悪化していた。先行きが不透明で業績回復のメドが立たないことから、親会社であるRVHは当社株式のすべてを6月3日に（株）Jrout（大阪府大阪市）へ譲渡し、代表者も6月4日に岡部怜仁氏に交替した矢先に、今回の措置となった。 　負債は債権者約870名に対し約6億円。