2月12日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入っていた京洛和蒼（株）（TDB企業コード：306017836、資本金1000万円、京都府京都市下京区中堂寺庄ノ内町40-3、登記面＝京都府京都市右京区太秦井戸ケ尻町13-17、代表尾崎友美氏）は、5月20日に京都地裁より破産手続き開始決定を受けた。

　破産管財人は武田信裕弁護士（京都府京都市中京区河原町二条南西角 河原町二条ビル5階、京都総合法律事務所、電話075-256-2560）。財産状況報告集会期日は9月16日午後2時30分。

　当社は、2015年（平成27年）10月に創業、2016年（平成28年）2月に法人改組した和装製品卸売業者。前代表尾崎哲也氏の長年の業界経験や人脈を活かし、呉服や浴衣、和装小物など和装製品の企画・販売を手がけ、6000万円程度の年商規模で推移していた。近年は、京都有数の観光名所である清水寺や伏見稲荷大社の近隣に「千都四季」の名称で着物レンタルショップを構え、外国人観光客などを対象に着物レンタル事業も手がけ、2019年1月期の年売上高は約2億円を計上するなど、業容拡大基調にあった。

　しかし、2019年4月に経営の中枢を担っていた前代表の尾崎哲也氏が死去したことで営業力が弱体化。親族が事業承継していたものの、同年6月以降は香港における反政府デモの影響で京都を訪れる香港人観光客が減少したことや、同業者との価格競争激化で収益性が悪化していた。

　2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大で、京都を訪れる外国人観光客が急減しキャンセルが続発。これに加えて中国からの仕入が滞ったことも重なり、事業継続が困難となり今回の措置となった。

　負債は約1億5000万円。