決算発表の延期　開示週別

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緊急事態宣言の延長などで、決算発表延期の動きが一段と広がる可能性も

　新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、上場各社の決算作業にも影響が広がっている。帝国データバンクの調べでは、決算発表（四半期決算含む）の変更や延期を公表した企業が累計414社に達した。全上場企業（約3800社）のうち、1割超で決算発表に遅れが発生したことになる。4月以降で急速に増加し、特に緊急事態宣言が発令された4月7日（4月第2週目）以降急速に増加。4月4週目（19〜25日）には189社が新たに公表、3月以降で最も多かった。

　決算発表の延期については、ロックダウンなどの影響で事業所が封鎖された海外子会社などで決算作業が進んでいないことや、緊急事態宣言の発令を受け、在宅勤務の増加などで決算集計や監査作業が遅れていることを理由としている。

　東京証券取引所は新型コロナの影響を受け、決算開示の延期を容認。金融庁も、3月期決算企業の有価証券報告書の提出期限について、通常より3カ月遅い9月末まで延長することを発表している。新型コロナの感染拡大収束が未だ見通せないなか、政府による緊急事態宣言の延長方針も濃厚となっており、各企業とも通常スケジュールは難しいとみられる。そのため、3月期決算のみなら

製造では約200社が決算開示を延期、 在庫確認ができず決算に影響も

　業種別に見ると、最も多かったのは「製造」（198社）で、決算開示の遅れを開示した全414社の約半数を占める。製造ではグローバルに生産拠点を有する企業などで、担当社員が出社できない状況となっている。そのため、在庫確認など必要な情報がまとまらないことを理由に、決算発表の開示について延期を表明したケースも相次いでいる。

　以下、「サービス」（76社）、「卸売」（48社）、「小売」（34社）などが続いた。国内B to C業種の企業など、幅広い企業で決算開示の遅れが発生している。