本業の倍以上の額を稼ぐようになったという高橋さん

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「働き方改革」に伴い、政府も副業を後押しする昨今。スキマ時間に手軽にできるものから、まとまった元手や時間を要するものまで、その内容は多種多様だが、果たしてその明暗を分かつものは何なのか?

◆三足のわらじをはくフルタイム会社員

 副業を行っている人の内訳は非正規や個人事業主などが多く、会社員をしながら副業をしている人はまだまだ少数派。総務省「就業構造基本調査」などによると、正社員の中で副業をしている人の割合は約2%とごくわずかだ。それでは実際に副業OKの会社でフルタイム勤務をこなしながら、副業で稼いでいる人はどんな生活を送っているのか?

 専門学校を卒業後、IT系の会社を中心に職を転々としてきた高橋修一さん(仮名)は、現在、副業OKの会社で正社員として働いている。会社では広報などを担当しているが、前職の経験などを活かして副業で広告代理業をやっているという。

「前職のWebサービス会社でブログメディアの立ち上げや運営を担当し、自社サービスのPRのため広告代理店とやりとりするようになって、広告に興味を持ちました。広告代理業の副業では経営面や営業などを回す仲間と会社もつくっていて、僕はEC事業のマーケティング戦略の設計や構築といった実務の担当です。起業してまだ半年ほどで浮き沈みもありますが、ようやく軌道に乗ってきて本業の倍くらい稼げるようになってきました」

 もはやどちらが副業か本業かわからない高橋さんだが、現在の会社に転職したのはパソコンさえあれば基本どこでも働けるため。シフト制のパラレルワーカーとなった。

「広告代理業ではWebがメインのPR支援やマーケティング支援もやっていて、リスティング広告やSNS広告の運用も行っています。広告用のクリエイティブ制作はコストも結構かかるので、自分達で画像や動画を制作します。Macに標準装備されているiMovieや、最近ではAdobe系のソフトも触れるようになってきました。アウトソースするよりも、自分たちでやってしまったほうが早いですし、新たなスキルを身につけるのは楽しく、キャリアが多様化します」

 そんな高橋さんだが実は音楽アーティストとしても活動している。

「一応、アメリカやヨーロッパなど海外の音楽レーベルと契約して音源のリリースを行っています。販売ルートはiTunes StoreやAmazon Musicなど基本はデジタル販売。売れたら1曲あたり120円前後、Spotifyなどストリーミングは1配信1円くらいが相場です。iTunesの場合は日本の代理店を使っていて、曲とジャケットのデータを渡すだけ。月額の固定費だけで売り上げは100%バックです。海外の代理店はいい加減なところも少なくないですが、日本の代理店はレポートなどしっかり細かくやってくれるので、音楽をやっている人にはおすすめです」

◆「週10時間の作業で2曲」「ライブはコスパが悪い」

 音楽活動は趣味も兼ねており、稼ぎとしては月に数万円程度とのことだが、その活動の中身は独特だ。

「音楽制作の作業時間は週10時間、1曲5時間で週2曲つくると決めています。僕がやっている音楽はジャンル的にも1万枚とかの大ヒットをつくれる世界ではないので、とりあえず数でいこうと。リリースに至らなかった曲は、著作権フリーの音源を集めた『Audiostock』などに少し編集を加えて登録・販売しています。フリー素材ってイラストや画像が有名ですが、最近は音楽や映像でも増えていて。同様の海外サービスなども活用すると、制作にかけた労力を回収しやすいです」

 プロモーションも基本的にSNSで展開しており、所有するSNSアカウントは20を超えるという。

「日本と違い、ヨーロッパ圏などではそれなりにメジャーなジャンルなのでFacebookと相性がよく、ファンがよく集まるSNSコミュニティにリリース情報や曲を投下すると聴いてもらいやすい。曲を気に入ってもらえればシェアしてくれますし、有名なDJがラジオで流してくれたり、Spotifyのプレイリストに入れてくれたりするとグッと伸びます。