パイオニアはドラレコとカーナビを組み合わせて交通安全や効率的な運行管理を支援する業務用車両向けのクラウドサービス「ビークルアシスト」を展開する。

 専用車載端末を通信回線を通じてクラウドサーバーにつなぎ、各車両の位置や走行軌跡などのデータを集約する。運転中の急加減速や急ハンドル、速度超過など危険挙動を検知した場合、ドラレコで撮影した運転映像と合わせ、危険運転の分析や通知、指導などといった安全管理に役立てる。業務用車両を運用する運送業者や介護・福祉関連企業での採用が進む。

 運行管理においても巡回や配送、送迎など最適な走行ルートを容易に作成できるため、例えば専門の運転手を置かず従業員自らが車を運転して人員を送迎する場合など、誰でも安心して運転に集中できる環境を整える。

 富士キメラ総研(東京都中央区)の東雄大研究員は「ドラレコはこれまで録画中心の役割だったが、今後はシステムを構成するデバイスになるだろう。MaaS(乗り物のサービス化)やソリューションビジネスに活用される」と指摘する。ドラレコの普及とともに既存のビジネスを組み合わせて付加価値を提供しようとする動きが加速しそうだ。

(取材・松崎裕)