何の因果か、ミラン関係者ずらり。コッパ・イタリア2回戦に注目が
文 神尾光臣
コッパ・イタリア2回戦に異常な注目が集まる
10日と11日、コッパ・イタリアの第2回戦がイタリア各地で行われた。
リーグ戦に先立ち、コッパ・イタリアはすでに開幕。セリエC29チーム、D9チームの合計38チームは8月3日、4日に行われた1回戦から戦っていた。2回戦からはセリエBの20チームが参戦し、17日と18日に行われる3回戦からは冨安健洋が移籍したボローニャのほか、セリエA12チームが参戦する。
世間の注目を集めるのは、当然ながらセリエA組が参戦する第3回戦以降ということになる。だが2回戦で、異常な注目を浴びたカードがあった。
セリエBのベネベント対セリエCのモンツァの一戦である。ベネベントの監督はあのフィリッポ・インザーギ。そしてモンツァは元ミラン会長のシルビオ・ベルルスコーニと、その盟友である元ミランADのアドリアーノ・ガッリアーニが共同オーナーを務めるところだ。ちなみにモンツァの監督はクリスティアン・ブロッキ。要するに何の因果か、元ミラン関係者の対決となってしまったのである。
インザーギのベネベント、金星を許す
もっともインザーギ監督には、2014-15シーズンに監督を務めるも辞めさせられた遺恨というよりは、選手時代に良くしてくれた思い出の方が強かったようだ。「監督のブロッキ、そしてベルルスコーニ氏やガッリアーニ氏と対戦するのは楽しみだ。一緒に大きな喜びを分かち合ってきたからね」と対戦を楽しみにしていたが、試合展開は思わぬ方向へと動いた。
3部のモンツァには、どういうわけかセリエB、いやAでプレーしていてもおかしくないはずの選手が所属。格上でホーム開催と有利だったはずのベネベントは、彼らに煮え湯を飲まされた。
5分、パレルモの倒産でフリーとなったDFクラウディオ・ベルッシに、セットプレーからヘディングシュートを決められる。ベネベントは猛反撃に出るが、彼らの前に立ちはだかったのは長くジェノアの第2GKを務めていたエウジェニオ・ラマンナだ。次々とスーパーセーブを連発されてシュートを弾かれると、ベネベントは後半の5分までに3点を失った。
後半に点を返すも、1点を追加され3-4と惜敗。「開幕前でコンディションが良くなく、不利なのは分かっていた。沢山チャンスを作ったが、相手のGKに奇跡を連発されてはどうしようもなかった」。インザーギ監督は肩を落とした。
コッパ・イタリアは、準決勝を除いて1発勝負。第3回戦へと駒を進めたモンツァは、次戦でフィオレンティーナと対戦する。相手チームの監督は、これまた元ミランのビンチェンツォ・モンテッラ。これまた因縁である。
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