olive2

写真拡大 (全5枚)

今回、筆者は、CHO社の本社とオリーブ農園がある、首都チュニスから約240km南の港町、チュニジア第2の都市スファックスを訪ねた。

CHO社が所有するオリーブ農園の広さは約3000ヘクタール。東京ドームの約650個分に当たる。ここの広大な土地には、樹齢70〜90年ほどのオリーブが、約24m間隔で植えられている。木々の間隔をしっかりととることで、樹木はしっかりと根を張り、太陽から、そして地面から確実に栄養を得ているのだ。

(写真)オリーブ摘み専用の熊手を使って、手摘みで収穫する。11月から3月くらいにかけて、収穫されることが多い。

訪れたオリーブオイル畑では、CHO社の看板商品であるオーガニックエキストラ・バージンオリーブオイル「テラ デリッサ(TERRA DELYSSA)」で使われるオリーブが作られていた。チュニジアでのオリーブの収穫期は、11月頃から翌年3月までとなる。筆者が訪れたのはちょうど収穫がスタートした頃。少しだけ、収穫の体験をさせてもらった。収穫体験にあたり、手渡されたのは、小さな熊手。これを用い、小さな実を落としていく。木々の下にはネットが敷かれていた。落とした実に傷がつかないようにするためだ。さらに、ネットの上に落した実はザルに集められ、もう一度ネットの上にパラパラと広げるように落とす。実全体に空気をあてることで、鮮度を均一化するのだ。

集められた実はその日のうちに工場に運ばれ、その日のうちにオイルが絞られる。ぎゅっと絞り出されるオリーブオイルは黄金色だ。無ろ過の商品としてこのまま、ろ過をし、透明な状態にして瓶詰めする場合もあるが、いずれにしても、CHO社では収穫から24時間以内に瓶詰することを大切にしている。無ろ過のものろ過したもの、一番搾り、二番搾り、三番搾りと、一口にオリーブオイルといってもさまざまな種類があるが、「テラ デリッサ」の場合、ファーストコールドプレス(30℃以下の低温状態で搾られた一番搾り)で搾られるため、新鮮なオリーブの風味がそのままオイルとなり、瓶詰めされる。これがごくりと飲めるようなフレッシュさなのだ。

(写真)左:収穫したオリーブの実は空気にさらしてから、その日のうちにオイル工場へと運ばれる。右:工場で圧搾されたばかりのオリーブオイル。無濾過の状態では、濁っていて、透き通っていない。無濾過のまま、瓶詰めした商品もある。

作業を体験させてもらいながらあたりを見回し、ふと気づいた。日本より確実に強い陽射しの下で生活をしている女性スタッフたちの肌は、なぜかみなつるんとしている。いったいオリーブオイルをどのように使っているのか聞くと、「すべてよ。何もかも、本当にいろいろなものに使っているわ」と満面の笑顔で応えてくれた。パン、パスタ、サラダ、スープ──。「とにかくすべてに使うの」だという。

(写真)左:CHO社のオリーブ畑で働いていたスタッフ。日々、日差しの中で仕事をしているはずなのに、みなさん、顔に艶がある。オリーブオイル効果!? 右:落ちた実が痛まないように木の周りにシートを敷き、実をそぎ落とす要領で、落としていく。

チュニジア独自の調味料であるハリッサ(赤パプリカ、唐辛子、にんにくなどで作る)もオリーブオイルと混ぜて使う。たしかに、良質のオリーブオイルをかけると、まろやかになり、パンに付けて食べ始めると止まらない。彼女たちの食事風景を見ていたら、クスクスにもどばどばとオリーブオイルをかけていた。なるほど、良質のオリーブオイルは、これほどたっぷり使っていいんだ! と目から鱗である。

(写真)「ハリッサ」はチュニジアの食卓には欠かせない調味料。オリーブオイルをたっぷりかけ、パンに付けていただくだけでなく、料理の材料にもよく利用される。

ヴァージンオリーブオイルは、髪に付けて使ったりもするそうだ。エッセンシャルオイルと合わせ、スキンケアに用いることもあるという。赤ちゃんの沐浴後の肌の保湿や、亡くなった方の遺体を清めるためにも使われるという。チュニジアでは、オリーブオイルは生活に根付いている、いや、日常生活になくてはならないものなのだと実感した。実際、チュニジア国内でのオリーブオイルの消費量は、イタリアに次ぐ多さだという。

「テラ デリッサ」は、馬のロゴが目印だ。“手にとりやすい価格の最高オリーブオイルで彩る日々の食卓”というCHO社の企業理念のもと、背伸びしなくても、購入できる価格帯も魅力だ。“手にとりやすい価格の最高オリーブオイル”、せっかくなら、今まで使ってなかった使い方をしてみようか──そう考えるとわくわくしてきた。

text/Aya Hasegawa
取材協力/テラ・デリッサ(TERRA DELYSSA)
購入場所/正規輸入代理店「リルココ」(https://lilcoco.jp/blog/terra-delyssa/)ほか、amazon、コストコなど。