日本戦退場のコロンビア代表MFダビンソン・サンチェスに、SNS上で誹謗中傷のコメントを投稿するユーザーが現れている【写真:Getty Images】

写真拡大

W杯初戦の開始3分で悪夢のサンチェス、警察が身の危険を案じる

 コロンビア代表MFカルロス・サンチェスは、日本と対戦したロシア・ワールドカップ(W杯)初戦の試合開始3分にペナルティーエリア内でハンドの反則を犯し、PKを献上。

 さらに一発退場処分となった。チームも1-2で敗れ、悪夢を味わったサンチェスの身を案じたコロンビア地元警察は、特別犯罪対策チームを立ち上げることになったという。英紙「ガーディアン」が報じた。

 まるで予想外の展開だった。試合開始からわずか3分、コロンビアの守備が緩んだ一瞬の隙を突いた日本は、FW大迫勇也がDFダビンソン・サンチェスとの競り合いで上手く入れ替わり、ゴール前まで攻め込んで左足でシュート。一度はGKダビド・オスピナがなんとか防ぐも、こぼれ球に反応したMF香川真司が再度狙うと、カバーに入ったC・サンチェスがハンドで防ぐ形となった。

 ダミル・スコミナ主審はPKの判定を下すとともに、サンチェスにレッドカードを提示。このPKを香川が決めて、コロンビアは試合開始6分でビハインドを背負うとともに、残り80分以上を数的不利のなかで戦うことになった。

 MFフアン・キンテーロの直接FK弾で一度は追いついたコロンビアだったが、やはり10人での戦いで最後は体力的に消耗。後半28分にセットプレーから大迫に決勝ゴールを奪われた後は、反撃する力は残っていなかった。


「エスコバルの悲劇」を繰り返さないために…

 サンチェスに関して、国内ではその身を案じる声が高まっているようだ。1994年のアメリカW杯で、元コロンビア代表DFアンドレス・エスコバルはアメリカ戦でオウンゴールを記録し、1-2敗戦の戦犯とされた。そして、帰国後に射殺されるという痛ましい事件が起きている。

 すでにSNS上ではサンチェスに対して心ない誹謗中傷のコメントを投稿するユーザーも現れている。中には殺人予告とも取れる脅迫も含まれているという。こうしたなかで、「エスコバルの悲劇」の再来は絶対に起こしてはならないと、地元警察も動きを見せている。

 コロンビア地元ラジオ「ブル・ラジオ」によれば、地元警察は特別サイバー犯罪対策チームを立ち上げ、この件についての調査を始めているという。

 コロンビアのホセ・ペケルマン監督が「最も重要な選手の一人」と称賛を送るC・サンチェスの身に、危険が及ばないことを願うばかりだ。


(Football ZONE web編集部)