記者が作った「ビルマ汁」

Jタウンネットでは先日、栃木県益子町が将来に伝えていきたい風土や食文化を「ましこ世間遺産」として認定している取り組みを紹介した。

その取材時、益子町の担当者の方が、

「益子町には、『ビルマ汁』など近年注目を集めつつあるご当地グルメもあります」

と、さらっと教えてくれた。「え? ビルマ? 汁?」いったいどんな食べ物なのか......。聞いてみると、益子町商工会が監修したビルマ汁のホームページを教えてくれた。

さっそく、アクセスしてみると真っ赤で具だくさんのスープが写っていた。謎だらけの名前からは想像できなかった、おいしそうな料理! ホームページには「基本レシピ」が掲載されていたので、記者も自宅で作ってみることにした。はたして、その味は......。

戦地で味わったスープを再現した

レシピの詳細は、ホームページを見てほしいが、豚バラ肉、ナス、インゲン、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどを一口大に切って、サラダ油、鷹の爪、和風だし、塩、水を入れて煮る。野菜が軟らかくなったら、豪快にトマトを一口大にちぎって入れる。そして、カレー粉で調味し、最後に塩で味を整える。


調理中。写真はトマトをちぎって入れたところ

「ビルマ汁」の歴史は古い。ホームページによると、1945年、終戦の年に地元の料理店「もおかや」の店主が、戦地のビルマ(現・ミャンマー)で食べた美味しいスープの味を日本で再現したのが始まりだという。なるほど、ネーミングの謎が解けた。

長年、益子町田町地区のごく一部の家庭で、夏の定番メニューとして親しまれてきたが、地域の婦人会や商工会などの活動を通じて、その美味しさが少しずつ評判になり、いまでは町内の飲食店でも取り扱われるようになったという。

さて、記者が作った「ビルマ汁」。一口食べてみると、最初にダシの香りがふんわりして、すぐにピリッと鷹の爪の刺激が来た。その次に、じんわり野菜や豚肉の旨みが感じられて、美味しい! 一杯ペロリと完食すると、顔にはじんわりと汗が......。暑い夏、食欲が落ちたときにも良さそうな、クセになるスパイシーな野菜スープだ。大量にできたので、そうめんに合わせて食べたりもしたが、それもまた美味しかった。

ホームページでは、ビルマ汁が食べられるお店も紹介されている。中には、ビルマ汁のうどんやスープパスタ、ベースにラーメンスープを使ったものを提供する店もあり、各店舗でアレンジされた「ビルマ汁」を食べ比べてみるのも楽しそうだ。

今度は、栃木県益子町に本場のビルマ汁を食べに行ってみたい。