【ファンキー通信】赤い羽根、ホワイトバンドの次はオレンジリボン?

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 このところ、幼い子供が犠牲になる悲しい事件が毎日のように伝えられている。中でも、ちょうど1年ほど前、栃木県小山市で幼い2人の兄弟が虐待を受けた上、橋の上から川に投げ込まれ、亡くなった事件は、多くの人に衝撃を与えたに違いない。この事件をきっかけに始まったのが「オレンジリボンキャンペーン」だ。この活動には、悲しい事件を繰り返さないよう児童虐待根絶への願いが込められている。

 このキャンペーンの主催は、小山市のボランティアグループ「カンガルーOYAMA」と里親・里子を支援する「NPO里親支援のアン基金プロジェクト」「さくらネットワーク」の3つの市民団体。児童虐待根絶の象徴として、オレンジのリボンを配布し、虐待を事前に防いでいこうというもの。このリボンは「あなたとお話しましょう、気持ちを分かち合いませんか」というメッセージで、子育てで悩む親などに、あなたはひとりぼっちではないことを伝える活動であるという。

 具体的には、子ども虐待防止のシンボルとして、オレンジリボンを胸につけ、それぞれの言葉で子ども虐待防止を説明したり、チラシを読んでほしいと伝えている。また、困ったことがあったら地域の子育て相談、NPOの相談機関などに相談することを呼びかけている。

 「まだ始まったばかりの活動のため、まずはたくさんの人に知ってもらうためにやらなければならないことが山積みです」(事務局担当・坂本さん)というように現在は、各地で説明会やリボンとチラシの配布、ポスター掲示などで大忙しのようだ。

 でも、どうしてリボンの色はオレンジなんでしょう?

 「全国的な里子たちの会で、明るく未来が感じられるとオレンジ色を選びました。(里子の)彼らは、子ども虐待問題を自分たちの問題と捉えています。児童虐待防止にはさまざまな団体が取り組んでいますが、当事者といえる子供たちが関与したのは初めてです」(同・坂本さん)

 今後の予定としては主要駅周辺でのリボンの配布、さまざまな集会や虐待防止シンポジウムへの参加などがある。そして、11月の児童虐待防止推進月間に向けて、児童福祉に関わる自治体や民間団体、ひとりひとりの市民自らがオレンジリボン運動を展開していくよう呼びかけて、さらにその活動の輪を広げていきたいとしている。

 自分でも簡単に作る事ができるオレンジリボン。あなたの胸元にも付けてみませんか? たくさんのお金を出したり、実際に足を運べなくても、それだけでも十分参加していることになるんですから。(文/verb)