もう「あの人イタい」なんて言わせない〈大人流〉甘い服の着こなしワザ
秋冬ファッションも春夏に引き続き、袖コンシャス、総レーススカート、花柄プリントなど、女性らしいディティールを持った“甘い”アイテムが人気です。着るだけで華やさや女性らしさがアップするスウィートファッション。
もう若くないから……と、あきらめることはありません! とはいえ、若いころと同じ着こなしでは“イタイ人”になってしまう危険性が……。いったいどうしたらすてきに着こなせるの!? ということで、先日『おしゃれな大人のスウィートコーデ』を出版されたスタイリストの福田栄華さんに、着こなしワザを聞いてみました。
ズバリ、大人スウィートの鉄則を教えてください!
「まず、甘いアイテムを取り入れるのは、1か所だけにしましょう。甘い服が好きな人にありがちなのが、全身を“甘×甘”で固めてしまうこと。たとえば、総レースブラウスに、淡い色のフレアスカート。手にはブランドのミニバッグを持ち、足元はリボンつきのヒール靴というコーデ。こんなふうに全身を甘くまとめてOKなのは20代まで。
30代後半以上の大人の女性なら、ポイントを絞って取り入れるのが正解です。たとえば、全身をシンプルにまとめてビジューつきのキラキラシューズを主役として履くスタイル。総レーススカートをメインに、他は辛口の色でまとめるのもおしゃれです」
服を買うときの注意点はありますか?
「甘めのディティールが、顔から離れた位置にあるものを選ぶようにしましょう。スウィートファッションが好きな人は胸元まわりにレースやフリルがついたファッションを選びがちですが、甘いトップスって大人の女性には難易度が高いんです。顔が年をとっているのに服は少女っぽいと、ちぐはぐした印象になるんですね。
背中や袖口にリボンやフリルがついているものであれば、顔から離れた位置にあるので違和感なく取り入れられます。あと、ボトムスに甘いアイテムを持ってくるとほどよくかわいくなるので、花柄スカートやフレアスカートを取り入れるのもおすすめ。もっとも注意すべきは丸襟! 子どもっぽい印象になりがちなので避けて。娘とアイテムを共有するのもNGです」
さらに、おしゃれに着こなせるコツがあれば教えてください。
「上手に着こなすコツとして、“甘さを中和する”ことを意識しましょう。たとえば、トップスに甘い要素があるなら、下はジーンズを合わせてカジュアルダウンする。プリーツスカートやフレアスカートなどフェミニンなシルエットのものは、辛めの色を選んで引き締めるなど。
その逆で、タイトスカートやラップスカートの場合は、アイテム自体が辛口なシルエットなので、ピンク色など甘い色を選んでもOK。おしゃれに見せるコツとして、色を多用しないこともポイント。全身の色数は3色にまとめるとスッキリ見えますよ」
これからコートが活躍する時期ですが、スウィートファッション好きはどんなアウターを選ぶといいですか?
「素材、色、形のどれかひとつが甘いコートをおすすめします。たとえば、ファーがポケットについているコートなら、グレーやネイビーなどの上品カラーを。その場合、全体の色が重たくなるので、小物で華やかさを足すことを心がけましょう。白など色が甘いコートのときは、シルエットがモード寄りのものを選ぶと、グンとおしゃれに見えます。
中をうんとシンプルにして、さらっと赤いコートを羽織るのも、大人ならではのすてきな着こなしです。気をつけてほしいのが、甘めのコーデにダウンを合わせたスタイル。一時期流行ったコーデですが、今やると驚くほど昔っぽく見えるので、やめましょう」
大掃除を控えた時期でもあるので、甘い服が好きな人に向けて、洋服整理のコツを教えてください。
「ワードローブのバランスが、“かわいい3:シンプル7”の状態を目指しましょう。まず、ピンクなどのかわいい色の服、レースやフリルなどのディティールのある服は甘めに分類。花柄アイテムやワンピースは落ち着いた色であっても甘め側に入れます。ジャケットやトレンチ、グレーのパンツなど、シンプルなデザインやモノトーンの服はシンプル側に分類してください。
その結果、甘めが半数だったら、整理が必要! 今年買った甘めの服を優先的に残し、去年、一昨年のものは処分の検討を。大人の女性には、ひざが隠れる長さのスカートがいちばんおしゃれに見えるので、それより短いものは手放しましょう。あと、昔着ていたテーラードなどもいりません。
定番ものとはいえ、シルエットやデザインが現在の流行とは違っているので、そのまま着ると時代遅れな印象になります。今は、ジャケット類もユニクロなどのプチプラでしっかりした作りのものが買えるので、新しいものを手に入れましょう」
【著者プロフィール】
福田栄華/1972年生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後、『CanCam』でのアシスタントを経て独立。同誌で10年間の活動後、『CLASSY.』『MISS』などのOL向けファッション誌を中心に活躍。自身の結婚・出産を機に、『VERY』『美ST』『saita』などのママ雑誌、ベビー雑誌でスタイリングを手がける。シニア層に向けたスタイリングも得意で、幅広い世代を対象に、女性らしさと品を大切にした、トレンド感のあるコーディネートを提案している。近著に『クローゼットにはワンピースが10着あればいい』(光文社)、『プチプラを上手に取り入れて ふだんの服で大人のおしゃれ』(朝日新聞出版)。
【本について】
甘い服が大好きなスタイリストの著者が、30〜40代の大人の女性でも“イタくならない”甘い服の着こなしワザを伝授! プチプラなのに、華やかなコーデが満載♪