植原卓也×太田基裕、先に結婚するのはどっち!?「たっくんは難しそう(笑)」
舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。
第22回は植原卓也さんが太田基裕さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年11月28日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。
――おふたりが共演した『スカーレット・ピンパーネル』の地方公演で一緒に食事に行ったそうですが、ハロウィーンの仮装した人たちに囲まれて何を熱く語ったんですか?
植原 どういうお芝居をやってみたいとか、どういうステージに立ちたいとか、今の自分にはこういうのが必要だと思うとか……。
太田 話したね。
植原 うん。『スカピン』のメンバーの中で真面目な話ができるのは、もっくんだなって思って(笑)。
太田 アハハハハ! でも、一番たっくんが真面目だったんだよ。
植原 そんなことないよ。ちょうど『スカピン』のトークショーの直後だったのかな。僕が急に話し始めて。そのトークショーで、もっくんがすごくトークが上手で、「ああいうとき、どういうスイッチ入れてるの?」とか聞いたり、けっこう現実的な話をして。
太田 たっくんは、すごく自分の中のプランとか責任感もあるし、ホントに真面目だから。そういう場での居方(いかた)って難しい。役のスイッチを入れるべきか入れないべきか……とかさ。入れる人は入れるしね。
植原 スイッチが入るとね〜。
太田 そうそう、変なスイッチが入っちゃう人もいるし、それがよかったりするわけだから、それぞれの価値観だからね。わざとボケたりとか。
植原 そこが器用だったんです。空気を読んで両方いける感じが、もっくんはすごかった。ピンパーネル団のメンバーのキャラクターが、すごく盛り上げる人としっかり芯を貫く人という感じで分かれていて、その両方に上手く対応してて。
太田 いやいやいや(笑)。細かいことかもしれないけど、そういうことをしゃべれるような関係ではあったよね。
今までにない自分を見つけ出せた、すごくいい環境だった
――『スカーレット・ピンパーネル』の稽古(けいこ)中のことで印象深いことは?
太田 けっこう大変だったね〜、今思えば。演出家からダメ出しされてね。
植原 自分たちで「じゃあこうしよう」とか、ホントに詰めたよね。
太田 話したね。芝居の繋がりとか、そこにどう居ればいいかわからないっていうのがけっこうあったもんね。ピンパーネル団はそんなに台詞が多いわけでもなく、それぞれ10くらいだったので、そこをどうしたらいいのかとか。
植原 うん。ピリピリっていう感じではないんだけど、いい意味での緊張感はあったね。
――演出家のガブリエル・バリーさんはけっこう厳しい方だったんですか?
植原 怒ったりする厳しさはなかったです。もしかして、言いたいことはあるのに言ってないんじゃないかなというような。自分たちで解決してくれるほうがいいという厳しさを感じました。ピンパーネル団の僕らに満足していないんだなというのが伝わってくるんです。
太田 最初は、ぜんぜん認めてくれてないなって感じはありましたね。
――役者同士で話し合って解決するほうが大変そうですね。
植原 でもそういうことをできる現場ってなかなかないので、自分を引っ張り上げることができたというか。今までにない自分を見つけ出せた、すごくいい環境だったなと思いますね。貴重な経験ができた。
太田 うん。初心に戻れた感じもありましたし。みんな逃げずにひねくれずに、真摯な悩み方をしてたんで、すごくいいメンバーだったなって思いますね。
植原 そうだね。あと、もっくんはいい意味ですごく芝居にこだわります。
太田 え? うそ〜! うそだ〜。『スカピン』でそんなにこだわってた?
植原 いや、もっくん今日のためにいろいろ思い出してくれてないね。
太田 アハハハハハ! ヤバい。ダメ出しいただきました(笑)。
植原 いまのはジョークだけどさ(笑)。二人で稽古場の下手でスタンバイしてるときに、「でもさ、あそこの辻褄(つじつま)がさ」とか、二人でずっと言ってたじゃん。
太田 言ってた(笑)。「どう思う?」って。
植原 ほら〜(笑)。
完璧な“できすぎちゃん”みたいな子は求めない
――恋愛観も伺いたいのですが。お互いの好きなタイプの女性は知ってます?
太田 タイプってある? もう外見のタイプってなくない?
植原 あんまり自立してなくていいというか。完成されてないほうがいいというか。言葉にするとちょっと恥ずかしいですけど(笑)。
太田 いいね、リアルだね。共感します。私もそういうタイプです。
植原 そう? よかった(笑)。何でもできなくていいです。
太田 僕も完璧な“できすぎちゃん”みたいな子は求めない。むしろダメなところが愛おしくなるぐらいがいい。
植原 あとは、僕が引っ張っていきますよと(笑)。
太田 そうだね(笑)。
――結婚願望はありますか?
植原 いずれはもちろんしたいですけど、今すぐはプランにもないです。
太田 僕も今は自分のことでいっぱいというか。
――どちらが先に結婚するでしょうね?
植原 もっくんでしょ〜。
太田 何で? いやでもたっくんは難しそうだな〜(笑)。
植原 それ言われる (笑)。「一人でいけちゃうよね」って。
太田 え〜、意外と寂しがり屋っぽいけどな〜。
植原 ホント?
太田 なんでうれしそうなんだよ(笑)。
植原 アハハハハハ!
太田 出ちゃうんだよね。心情がすぐ顔にね(笑)。
たわいもない話をして、また頑張ろうって思える存在
――最後に改めてお互いはどんな存在ですか?
太田 考え方も面白いし興味深い。たっくんはエンターテインメントに対する考えとかもビジョンがすごくあって、こういう舞台に立ちたいとか意思がはっきりあって。自分にないものもたくさんあるので、そういう部分でも尊敬できる。たっくんに勝ちたいとかそういうことは、ホントに考えられないというか……。嫌な感じが何ひとつないし、すごいナチュラルに、ニュートラルにリスペクトできる貴重な俳優さんだなって。
植原 ありがとうございます! もっくんの魅力を自分の中で感じているものがあって。だから人気なんだろうなって。
太田 そういえば、けっこう分析するクセあるよね(笑)。
――太田さんの魅力を一言でいうと?
植原 ……もっくんは見た目!(笑)
太田 おい!
植原 やっぱり美しいですよね。大事なことだと思います。
太田 お前、最後にえぐいこと言ったな(笑)。
植原 アハハハハ! お互い頑張っていて、今日みたいに会ったときに、ポロっと近況を話せるような心の安らぎじゃないですが、リフレッシュできるというか。たわいもない話をして、また頑張ろうって思える存在です。
スペシャルQ&A【植原卓也編】
――太田さんには言ってないけど、感謝していることは?
植原 二人で話したときに「たっくんは、ミュージカルでダンスとか歌とかができるっていうのは、いい武器だよね」というようなことを真正面から言ってくれて。改めて同世代の役者にそう言ってもらえて、自信がついたというか、“そっか、自分にはそういうものがあったんだなって、もっとそれを伸ばしたいな”と思えました。あと、僕はやっぱり褒められるのが好きなんだなと思いました(笑)。でも、それが最近ファンの方にバレ始めてて、いただくファンレターがもう褒め倒しなんです(笑)。たまに読むのが恥ずかしくなるくらい。
――太田さんに直してほしいところは?
植原 直してほしいところはないです。でも、もっくんは本当に低姿勢だから、何でも「自分なんて……」って言うんです。何においても謙虚すぎるので、逆に「俺、ここマジすごいでしょ!」というようなところを、一回見せつけてほしい。ここは負けないみたいなことを、堂々と言ってほしいな。みんなに無理だったら、まず俺にだけでもいいから。
――太田さんのトリセツを教えてください!
植原 もっくんは、おしゃれが好きなので、彼の洋服のことを言うと喜ぶかもしれないです。もっくんが着てるものに対して、何かコメントすると「最近、買ったんだよ〜」って、すごくうれしそうにしてくれるんです。あとは、くだらない話とかもすごく好きですね。誰かのちょっとした失敗談とか面白いエピソードとか、そういう話を無邪気に楽しむんです (笑)。『スカピン』のときも、楽屋で一番最後まで笑ってるのは、もっくんだったりしましたね。
――何フェチですか?
植原 強いて言うなら脚かな。特別なこだわりはないのですが、歩いているときとか、たまに見ちゃいますね。やっぱり男性とは違ってセクシーですよね。長いスカートで脚を隠してる方って、それがファッションだったらいいのですが、ぜんぜん隠さなくていいのにって思います。どんな脚でも女性の脚って魅力的だと思うので、自信を持って出していいと思います。
――仕事や人間関係など、頑張ってもうまくいかない友人にかける言葉は?
植原 「自分も同じ感じだよ」と伝えます。それで一回、同じ感覚になって。「だけど自分もそこで戦ってる」というのを話したら、友達もそうやって戦ってるんだから、自分も戦わなきゃなと思ってくれるかなって。例えば上司の話だったら、あんまりその上司のことを悪くは言わないです。友達にまで悪く言われたら、“アイツも嫌だと思うような上司と毎日会わなきゃいけない”と思ってしまって余計に毎日が辛くなると思うので。「まあそんな人もいるよ」というような感じで、「一緒に頑張ろうな」って。男友達だったらスパッと話して終わるかな。女友達だったら? それはすごく長い時間をかけて解決してあげます(笑)。
――今まで観た舞台作品で、一番印象に残っているものは?
植原 印象的というか、自分の中で経験したことがなかったのは、2年半ほど前にニューヨークに1か月滞在していたときに観た『キンキーブーツ』です。カーテンコールで勝手に涙が溢れてきちゃったんです。最後みんなで歌って終わるところで、びっくりするぐらい泣いてしまって。みんなが手拍子しているときかな、その空間の力で、グワ〜って感情が溢れてきた感じですね。
これは今でもなぜかわからないんですが、自分で感じているのは、初めてこんなところまで1人で来て、チケットを取ってミュージカルを観て、僕も日本でこういうのやってるんだなとか、母親も心配してるんだろうなとか、そういういろいろな気持ちが交錯したのかなって。貴重な涙でした。なので、人によっては僕が出演している舞台を観て、泣いてしまう人がいるということもあるんだなって知ることができました。どんなところで人は感動するかわからないし、人それぞれだなと学びました。
――今、ハマっていることは?
植原 意外だと言われるんですが、料理です。料理をするようになったのは、健康を気にし始めたからかも。やっぱり舞台とかいろいろなことをさせてもらうようになって、健康にすごく気を使われてる先輩を見るようになったっていうのもすごく大きくて。それで、ちょっと意識するようになったら、意外と自分は料理できるなって。ハマってるというほどでもないんですが、週の半分くらいは料理しています。最近美味しくできたのは、イタリアントマトラーメン。あとはパスタも作りますし、鮭といっぱいキノコが入ってる炊き込みご飯とかも作りました。ネットで見て、これいいなって思ったら材料を買い集めて、レシピ通りに作ればけっこうできます。
スペシャルQ&A【太田基裕編】
――植原さんには言ってないけど、感謝していることは?
太田 『スカピン』のときは、ホントにたっくんの真面目さとか一生懸命さっていうのに、だいぶ救われました。僕らもやんなきゃって思わせてもらって、ピンパーネル団はみんなすごく素敵で、大好きなメンバーで、けっこう結束してました。だいぶ僕たち、ダメ出しされてたんで。演出家も外国の方で、僕らのことなんて一切知らないじゃないですか。ただの新人だと見られてたと思うんで、朝から晩まで稽古時間も長くて、みんなで共有する時間が多かったです。その中でやっぱりたっくんが、悩みながらも一生懸命やっている姿を見てたし。みんな悩んでましたけど、たっくんみたいな真っすぐな人がいると、すごく勇気づけられるというか、頑張らなきゃなと思わせてくれて、そういう意味ではすごく助かりましたね。
――植原さんに直してほしいところは?
太田 なんか変なところで、プレッシャーかけてくる(笑)。例えば、稽古のときとか、「歌、大変だね」と。たぶん自分自身にも言ってるつもりなんだろうけど、そういうのがちょいちょいあった気がする。「もっくん、これ歌、大変だよね〜」とか、「ヤバいね、ヤバいね」とか。それをけっこう笑顔で言ってくるんですよ(笑)。そういうちょっとズルい感を出すときある。まあ面白いから直さなくてもいいんですけど(笑)。
――植原さんのトリセツを教えてください!
太田 たっくんのトリセツ、わかんないな〜。でも褒めたらうれしそうな顔をちょっとだけするけど、内心めちゃくちゃ喜んでる気がする(笑)。褒めるとすっげー喜ぶと思います。だから褒め倒したほうが、彼のなかの評価は上がると思う(笑)。純粋で真っすぐだから、素直に喜ぶタイプな気がする。それでダメ出しとかされると、すごくヘコむみたいな(笑)。
――何フェチですか?
太田 けっこう、指? 手先は、好きかもしれないですね。手とか指先の動きとかがしなやかだと、すごく魅力を感じる。自分もお芝居するときにけっこう手を意識するというか、手に表現をつけるのが好きだったりするので。そういう意味では、普段から指先の使い方とかが、なんか指が目に入っちゃいますね。
ミュージカル『手紙』のときに演出家の藤田俊太郎さんに「指先を大事にしろ」って言われて。僕も思ってたことだったので、すごくそこでリンクしたことがあって。藤田さんから、蜷川幸雄さんはすごく「手を使え、手を使わない役者は不感症だ」って言ってたっていう話も聞いたりして。だから藤原竜也さんとかにも、床を這わせたり壁を触らせたり、手を伸ばすとか、すごく頻繁にさせていた。指先にすべての感覚が詰まってるから、指先に神経を全部もっていこうと。それができない役者はキレられてたっていう話を聞いて、なるほどねって。それでさらに手が好きになりましたね。
――仕事や人間関係など、頑張ってもうまくいかない友人にかける言葉は?
太田 「僕もよくあるから」って(笑)。僕もいつもうまくいかないからって共感をして励ます。僕もそういうときは、仲いい役者とか友達とかにLINEしたり会ってしゃべったり。聞いてもらって励ましてもらって、頑張るとかありますね。それがないと、僕も孤独になっていっちゃうんで。頑張ってもうまくいかないことって毎日ありますから(笑)。毎日現れるって感じです。
――今まで観た舞台作品で、一番印象に残っているものは?
太田 僕ね〜、舞台、たぶん年に1〜2本しか見ないんですよ(笑)。舞台よりは、ライブとか映画のほうが見たくなる。舞台だと勉強しなきゃってなっちゃうから。他の思考を入れたいんですよね。でも印象に残ってるのは、まだ学生の頃に家族で見た『浪人街』。唐沢寿明さんと松たか子さんが出演されてて。その頃は舞台とかぜんぜん興味なかったのに、“こりゃすげーや”って思ったのを覚えてますね。演出で水がものすごく出てきて、その中で殺陣(たて)をやるとか。音楽もたしか坂本龍一さんで(※編集部注:主題曲を坂本龍一が手がけた)、世界観が素晴らしいなっていうのは今でも残ってるんですよね。お客さんをこんなに楽しませることが舞台でできるんだなって。
――今、ハマっていることは?
太田 フルーツをけっこう頻繁に食べてます。パイナップルは基本的にずっとあるので、定番でよく食べますけど、桃とかぶどうとか、その時季のフルーツを食べる。でも一番好きなのはパッションフルーツかな。あとマンゴーも大好きです。フルーツをたくさん食べたくなるときが、ときどきあるんですよね〜。来るんですよ、フルーツを欲する波が。たぶん少し疲れてるときな気がする。最近は稽古場に行くときに、毎日買ってますね。
<プロフィール>
うえはら・たくや◎1988年6月22日、大阪府出身。A型。2000年デビュー。ミュージカルからストレートプレイまで数多くの舞台に出演する実力派。今後は、ミュージカル「『黒執事』-Tango on the Campania-」(12月31日〜TBS赤坂ACTシアターほか)、地球ゴージャス プロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』(’18年4月9日〜TBS赤坂ACTシアターほか)出演。
おおた・もとひろ◎1987年1月19日、東京都出身。A型。’09年舞台デビュー。以降、舞台を中心に活動。今後は、ミュージカル『刀剣乱舞』〜真剣乱舞祭2017〜(12月8日〜東京、大阪、埼玉、中国・広州)、ミュージカル『Romale〜ロマを生き抜いた女 カルメン〜』(東京公演:’18年3月23日〜4月8日東京芸術劇場プレイハウス/大阪公演:4月11日〜21日梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)出演。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/Emiy スタイリング/小島竜太[太田さん] 撮影協力/日本土地建物・京橋エドグラン)
<撮影場所>
京橋エドグラン http://www.edogrand.tokyo/
東京メトロ銀座線の京橋駅直結、東京駅からも徒歩5分の注目スポット。「トシ・ヨロイヅカ東京」など話題のレストランが充実! 開業1周年で来館者数のべ460万人を突破。2017年11月21日より、1周年記念イベントを開催し、銀座京橋エリア最大級の高さ12メートルのクリスマスツリーが登場。