自覚アリ!? 綾野剛に「人たらし」と呼ばれる理由を聞いてみた
「求められたことに対して、どう返せるかといったら、僕にはお芝居しかなくて。だから今、自分が求め続けられるだけ、きちんとお受けしたいと思ったんです」
2015年に放送され、反響を呼んだドラマ『コウノドリ』が2年ぶりに帰ってくる! 役によってまったく別の顔を見せる、まさに“変幻自在”な俳優・綾野剛(35)が、今回もまた産婦人科医・鴻鳥サクラとなって新しい“命”を受け止める。
「『コウノドリ』のプロデューサーは、『S-最後の警官-』や『空飛ぶ広報室』で僕にドラマというものを教えてくださった方です。その人の思いに応えたいと単独で主演をやらせてもらった前作は、役者である前に人としてどういった力を発揮できるのか、新しい自分と向き合えた作品になりました」
プロデューサーの那須田淳氏は社会現象ともなったドラマ“逃げ恥”を手がけ、今回の新シリーズにも期待が高まっている。医師と妊婦、生まれてくる赤ちゃん、そしてその家族たちが起こす“奇跡”の物語――。
「僕にとっての代表作です」という綾野は、続編が決まりうれしそうな表情を見せる一方で、“毎回あがってきた台本を見るたびに胃が痛い”と本音ものぞかせる。
「産科医は医師の中で唯一“おめでとう”と言ってあげられる存在でもあるけれど、助けられなかった命もたくさんある。前回は精神的にも肉体的にも未知な状態で走っていたからこそ、乗り越えられた部分もあったんです。今回はどれだけ過酷なものか、わかったうえでやらなきゃいけないので非常にエネルギーを使います。でも脚本家や制作チームからは“前作を必ず超える”という執念すら感じる。エンターテイメント性も増していきながら、きちんとお届けできる作品にしていきたいです」
サクラ先生は天才ピアニスト“BABY”としての一面も。
「前作のときにアップライトピアノを買ったんです。家に書斎があって、ピアノはそこで練習しています。でも、坂口(健太郎)がこの前『ごめん、愛してる』でピアノを弾いてたじゃないですか。僕は努力で何とか持っていったけど、彼の場合は努力と才能。本当にうまいんです。今回は坂口に弾いてもらおうかな(笑)」
共演者の星野源は、俳優でも音楽でも大ブレイク!
「初めて共演したときから、いま世間が思っている感覚とは違うベクトルで源ちゃんを見ていました。必ずそうなると思っていたので、当然というか。前よりも包容力が高まって、愛も深くなっているのを感じます。さらにたくさんの時間、人たちを魅了する星野源になっています。ひとつ年上ですが、敬意を表して源ちゃんって呼ばせてもらっていて。僕にとって常に甘えさせてくれる存在です」
そんな綾野といえば、4月クールのドラマ『フランケンシュタインの恋』でも主演を務めたことが記憶に新しい。
「求められた流れに対して、乗ってみるっていうのもすごく大事です。芝居をしたくてこの業界に入ったので、ずっと仕事をしています。ときには“断る勇気”というのも必要だと思いますが、僕にはまだその勇気が足りない。何でも経験してみたいし、挑戦もしてみたい。幸い、いい環境を作ってもらえているので問題ありませんが、今の速度が正しいかどうか、これから冷静に考えていかなきゃいけない気がしています」
休日は「普通に友達と飲んだり、ごはん食べに行ったりしてますよ」と素顔ものぞかせる。コミュニケーション力の高さから、“人たらし”と呼ばれることもあるが……。
「誰に対してもというわけではなくて、好きな人、興味がある人にはコミュニケーションが高いと思われていると思います。あたりまえですが、たとえものすごい年下でも、初対面では必ず立って敬語でご挨拶します。それに対するリアクションで、なんとなくその相手のことがわかる。その人のことを掘り下げたいかどうかは、頭で考えず、感覚的なものなんです」
ちなみに、今、熱中していることがあれば教えてください。
「ここ4年くらい、ずっとやっていることがあって。でも仕事の都合でなかなか時間がとれないんですよ。それが何かは――」
言えない?(笑)
「すみません(笑)。でも、いつかはお知らせできたらと思ってます」
『コウノドリ』
TBS系、10月13日(金)夜10時スタート
産科医療の現場をリアルに描いた“命”の物語。2015年に放送された前作に続く新シリーズで、舞台となるのはその1年半後。主演の綾野剛ほか、松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎、星野源、大森南朋など、この2年でパワーアップした共演陣が脇を固める。