CBS MarketWatchによると、29日の米株式市場は、米商務省が朝方発表した第2四半期(4−6月)の実質GDP(国内総生産)の伸び率(速報値)が、季節調整済み前期比で+3.4%(年率換算)となり、米経済が堅調に成長していることを示したものの、市場予想と一致したため、反応は限定的だったほか、テキサス州にある英石油大手BPの製油所で火災が発生し、原油先物価格が上昇したことを受けて、売りが優勢となり、ダウ平均株価指数は、前日比64.64ドル(0.60%)安の1万0640.91ドルと3日ぶりに反落した。一方、ハイテク銘柄の多いナスダック総合株価指数は、同13.61ポイント(0.62%)安の2184.83、S&P500株価指数は、同9.54ポイント(0.77%)安の1234.18とともに反落した。

  同日の米債券市場で、指標となる10年物が、米経済成長の堅調さが示されたことで、利上げが今後も継続されるとの見方から、前日比20/32安の98-26/32と急落し、債券価格とは反対に動く利回りは、前日の4.20%から4.28%に急伸したことも売り要因となった。また、利上げ継続観測から、利益確定売りも出た。

  個別銘柄の値動きでは、米ファーストフード・チェーン大手のウェンディーズ・インターナショナルが、傘下のティム・ホートンズのIPO(新規株式公開)実施などを含めた事業再編計画を発表し、前日比6.43ドル(14.2%)高の51.70ドルに急伸、米自然食品チェーン最大手のホール・フーズ・マーケットは、4−6月期決算を発表し、最終利益が前年同期比31%増で市場予想を上回り、同14.24ドル(11.6%)高の136.56ドルに急伸した。また、4−6月期営業利益が市場予想を上回った米生保大手メットライフは、同1.08ドル(2.3%)高の49.14ドルに上伸した。一方、米石油2位のシェブロンは、4−6月最終利益が市場予想を上回ったものの、同0.93ドル(1.6%)安の58.01ドルと軟調だった。【了】