CBS MarketWatchによると、27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の9月物は、同日発表された米週間石油在庫で溜出油在庫が10週連続増加し、原油在庫も前年比で十分な水準が示されたことで、わずかに下落、前日比0.09ドル安の1バレル=59.11ドルに反落して引けた。日中は58.50−59.70ドルのレンジ内で取引された。ただ、ガソリン在庫の減少が予想よりも大きかったことで下値は固かった。

  エネルギー省が発表した米週間石油在庫で、7月22日までの1週間の原油在庫は230万バレル減少の3億1780万バレルとなった。一方、API(米石油協会)の統計では原油在庫は440万バレル増加の3億2110万バレルとなっている。いずれの統計も、市場の在庫不足への不安を払拭するものとみられた。

  エネルギー省のデータでは、2002年7月の米原油在庫は3億0400万バレル。2003年7月には2億8300万バレルだったため、現在の水準は2002年の水準より6%、2003年の水準よりほぼ14%も高いことになる。

  あるアナリストは、相場が7月初めにバレル=62ドル台に乗せたのが今年の天井で、これから1ヵ月で50ドル台に迫るまで下落する可能性もあるとの見方を示しているが、一時的には、世界の政治的緊張やハリケーンなどで価格が上がる局面もあるとしている。

  暖房油8月限は反発、前日比1.35セント高の1ガロン=1.6172ドルで引けた。ガソリン8月限も反発、同2セント高の1ガロン=1.7158ドルで引けた。【了】