大谷翔平とダルビッシュ有【写真:田口有史】

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開幕に出遅れたレンジャーズ、今オフに向けた動きが早くも表面化

 11日に鎌ケ谷にある日本ハム2軍施設を訪れ、怪我からの復帰を目指す大谷翔平投手に熱視線を送ったレンジャーズのジョン・ダニエルズGMとジョシュ・ボイドGM補佐。その翌日には帰国の途に就いたレンジャーズ首脳陣だが、その“大谷詣で”の事実は地元テキサスでも大々的に報じられた。地元紙「ダラス・モーニングニュース」電子版では、ダニエルズGMの訪日について「なぜ重要な展開と言えるのか」、その意味について考察している。

 打ってよし投げてよしの大谷は、米国でも“二刀流”として認識され、早ければ今オフにもメジャー移籍を果たす“目玉”として注目されている。だが、3月の第4回WBCは右足首の怪我で出場辞退。さらに、開幕後には左太もも裏を負傷して、現在は2軍で調整を続けている。まだ2軍戦に出場していない大谷の視察は「表面上、変わって見える」が「一歩踏み込むと、納得ずくの行動」だという。

 5月12日現在、ア・リーグ西地区最下位に沈むレンジャーズは、このまま状況を好転させられなければ、7月には来季以降を見据えたチーム作りに方向転換する可能性が高い。また、今季限りでエース右腕ダルビッシュ有との契約も満了。ダルビッシュと契約延長するのが得策なのか、シーズン終了前にトレード放出するのが懸命なのか、今オフのフリーエージェント(FA)市場の動きも含め、あらゆる可能性を考慮しておかなければならない。そこで大きなカギを握るのが、大谷の存在だ。

 大谷は、早ければ今季終了後にもポスティング制度を利用して、メジャー移籍すると言われている。大谷本人と直接話はできないが、ダニエルズGM自ら日本へ足を運び、球団など“周辺”調査をすることで、大谷を取り巻く事情をより詳しく把握できる。レンジャーズの大谷獲得への本気度を明らかにする行動ではあるが、逆に他29球団に対して先手を打ったアピールにもなる。

レンジャーズは大谷を取るのか、ダルビッシュを取るのか…

 記事では、大谷獲得の可能性と今季成績について考察。レンジャーズが獲得できる可能性が高いと感じ、さらに今季の成績が上がらなければ、「大谷獲得が最優先事項となり、ダルビッシュのトレードを積極的に画策するだろう」と予測している。一方、大谷獲得の可能性が高くなく、チーム状態が上がらない場合は、ダルビッシュとの契約延長が現実的だと見ている。

 一方、地元紙「フォートワース・スターテレグラム」電子版では、レンジャーズのダルビッシュと大谷の“W獲り”も可能だと見ている。記事によれば、今オフから2年で中堅ゴメスや一塁ナポリなど7選手との契約が満了する予定で、W獲りが可能な資金力が生まれるはずだという。2人がオフは一緒にトレーニングしていることにも触れ、ダルビッシュ“先輩”の存在が大谷獲得に好影響を与える可能性についても言及している。

 今オフ、果たして大谷はメジャー移籍の決断を下すのか。レンジャーズはダルビッシュと契約延長、あるいは再契約するのだろうか。2人の同時獲得は現実的なのだろうか。大谷、そしてダルビッシュを巡るメジャー球団の動きは、今後も注目を集めそうだ。