CBS MarketWatchによると、21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の9月物は、20日発表された米週間石油在庫統計で、大幅減になると見られていた先週の石油在庫量の下げ幅が予想外に少なかったことで弱気となる一方、中国の人民元の切り上げとロンドンで再び起こった地下鉄・バス爆破事件の影響を消化するなか、前日比89セント安の1バレル=57.13ドルと過去1ヵ月の最低水準で取引を終えた。

  アナリストは、人民元切り上げが原油価格に与える影響について、市場が十分に考えを決めるには何日かかかるとしているが、「切り上げで中国製品は値上げを余儀なくされ、中国経済の成長は鈍化する。そうなれば原油価格は下落する可能性がある」(ピーター・グランディック氏、グランディック・パブリケーションズ)との意見もある。一方、「原油はドルで取引されるので、人民元の切り上げで原油は中国にとって比較的安くなる」(ソーステン・フィッシャー氏、エコノミー・ドットコム)とし、中国の原油消費が増加するのではないかとの主張もある。

  ガソリン8月限は、前日比0.5セント高の1ガロン=1.681ドルと続伸、暖房油8月限は、同2.88セント安の1ガロン=1.5689ドルと続落して引けた。【了】