CBS MarketWatchによると、20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月物は、日中一時58.30ドルまで上げたが、同日発表された米週間石油在庫統計で、ハリケーン「エミリー」の影響を受け、大幅減となると見られていた先週の石油在庫量の下げ幅が予想外に少なかったことで反落、2週間ぶりの低水準となる前日比74セント(1.3%)安の1バレル=56.72ドルで引けた。また、同日の取引時間終了時から取引の中心となったWTIの9月物は、前日比67セント(1.1%)安の1バレル=58.02ドルで引けた。

  米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表した米の週間石油在庫統計で、原油はハリケーンによって生産中止や輸送の遅れが出たにも関わらず、90万バレルの減少と小幅減にとどまった。石油アナリストはより大きな減少幅を予想していたが、ガソリン在庫の比較的小さな下げ幅と留出油の230万バレルの増加で、米石油在庫への当面の懸念は後退した。

  7月15日までの1週間の週間原油在庫の総量は3億2010万バレル。米石油協会(API)によると、原油在庫は500万バレル減少の、3億1670万バレルとなった。週間ガソリン在庫は、EIAの発表では130万バレル減の2億1130万バレルだった一方、APIの統計では410万バレル減の2億1230万バレルとなった。暖房油を含む留出油在庫は、EIA統計では230万バレル増の1億2270万バレルに対して、API統計では130万バレル増の1億2150万バレルだった。

  しかし、米の石油供給に不安はないようには見える一方、今回の統計は「デニス」と「エミリー」の2つのハリケーンの影響を完全に反映していないとの見方もある。

  ガソリン8月限は、前日比0.25セント高の1ガロン=1.676ドルと続伸、暖房油8月限は、同3.24セント安の1ガロン=1.5977ドルと続落して引けた。【了】