古豪復活へ! 選手と共に戦い、支える女子マネージャー 県立熊本工業高等学校

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 今年の選抜から、女子マネージャーは甲子園練習参加が条件付きで認められることになり、チームを支えた女子マネージャーたちの甲子園練習参加が話題となっている。甲子園出場回数春夏通算40回を誇る古豪「熊工」もまた女子マネージャーによって支えられているチームである。熊本工といえば、「打撃の神様」の異名を持つ川上 哲治氏や千葉ロッテマリーンズ伊東 勤監督などプロ野球で活躍する野球人を多数輩出している名門だが、昨年の秋季九州地区大会では1点差の接戦をものにし、ベスト4の成績をおさめ、10年ぶり21回目の選抜出場を決めた。今回は初戦を2日後に控えた熊本工。選手たちを支える女子マネージャーはどんなマネージャーなのだろうか。

チームが良い方向に進むように

 選手70名を支えている女子マネージャーは、2年生の上村 茉由さん、1年生の内田 有紗さん、松本 純怜さんの3人。飲料や補食作りを中心に日々の活動を行っており、試合の時には、スコアラーとしてベンチ入りもしている。

 特に補食作りでは40合のお米を炊いて、おにぎりや納豆マヨネーズご飯などオリジナリティあふれる補食を提供している。そんな彼女たちのイチオシマネージャーグッズはおにぎりを作る型であると教えてくれた。彼女たちはお礼の言葉や「おいしかった!」の言葉に日々やりがいを感じている。

 3人の女子マネージャーのうち、唯一2年生の上村 茉由さんはバスケット経験があり、入学当初はバスケットボール部のマネージャー希望であったという。しかし野球部のマネージャー希望がいないと知った彼女は、選手を支えるべく野球部のマネージャーとなった。

 

 初めてスコアラーとしてベンチに入った試合を特に思い出に残っている試合として上村さんはあげてくれた。「間近で選手のプレーを見ることができ、とても感動した」野球の魅力を再確認できたこの時の試合は忘れられないだろう。

 選手をサポートするうえで上村さんは、「マネージャーがネガティブなことを言わないこと、チームの雰囲気が良い方向に進むことを心掛けている」と話してくれた。上村さんの提案で野球部に体格測定が導入されたという。この導入により選手のレベルアップにつながり、チームは良い方向に進んでいった。

「信頼されるマネージャーになる!」

上村 茉由さん(熊本工)

 「選手から信頼されるマネージャーになりたい」

 その思いを胸に刻みながら活動している上村さん。選手から「テーピングまいて!」と頼まれたときはとても嬉しいという。そして、テーピングをまいている時に選手の腕から見える血管は胸キュンポイントであると女子マネージャーらしい一面も見せてくれた。

 選手は上村さんたちマネージャーについて「とてもしっかりしていて、時には厳しいことをいいます。その時は怖いと感じるときもありますが(笑)でも頼りにしています!」と非常に信頼をしている様子だ。

 上村さんはマネージャーになって自分自身が変わった点として「自分を一番に考えるのではなくて、人の事を優先して考えるようになった」と話してくれた。この人の事を優先して考えることのできる思いやりこそが選手の信頼を得ることにつながっている。

 上村さんに自慢のエピソードを聞いてみると、「昨年のホワイトデーにクラスに選手が来て、バレンタインデーのお返しをくれました。とても優しい選手たちです」とグランド外にも及ぶ仲の良さ、信頼関係が見えてきた。ちなみに今年のバレンタインデーにも選手にチョコをプレゼントしたという上村さん。今年は選抜出場、選抜勝利という何よりも喜ばしいお返しが期待できるのではないだろうか。