高校野球レポーター・芹 玲那さんがドットコム副編集長・河嶋と一緒に選抜の見どころを語りつくす!
第89回選抜高校野球大会の組み合わせが決まり、19日の開幕を待つだけ!今回は「強い者にはワケがある」キャンペーンの公式レポーターで高校野球レポーターの芹 玲那さんと高校野球ドットコム副編集長の河嶋宗一が今回の組み合わせについて対談!
大会初日の3試合はどれも面白い!安田尚憲選手(履正社)
河嶋宗一ドットコム副編集長(以下、河嶋):芹さん、本日はよろしくお願いします!第89回選抜高校野球大会の組み合わせが決定しました。注目カードも多くありましたね。
芹 玲那さん(以下、芹):率直に思ったのは、えっいきなり日大三vs履正社ぶつかっちゃいますか!という驚きですね。ここの組み合わせが一番衝撃でした。
河嶋:私も組み合わせ抽選会を見ていて、先にクジを引いた履正社が初日から登場なのかと思っていたところに、日大三と対戦することが決定して、驚きました。
芹:連覇を狙う智辯学園は1981年、82年に連覇したPL学園以来となる春連覇がかかっていますが、初戦の相手は熊本工。過去に、夏に甲子園準優勝経験がある学校ですので、いきなり壁が高い相手だと思います。
河嶋:熊本工は先日取材をしまして、ちょうど紅白戦をやっていたんです。そのとき、エースの山口 翔君が投げていました。山口君はストレートはもちろんですが、変化球の切れが素晴らしい投手でした。登板後、インタビューしましたが、「これからさらに調子を上げていきたい」と話していました。それがうまくいくと、強打の智辯学園でも苦しむのではないかと思っています。あと山口君はドラフト候補として注目されていますし、智辯学園は福元 悠真君、太田 英毅君の強打者コンビがおります。この対決はドラフトファンとしてはかなり見ごたえのある対決となると思っています。
芹:福元君、太田君を中心とした打線が強力だと聞いていますが、確か投手もいいんですよね?
河嶋:そうですね。ストレートの勢いがあり、前エースの村上 頌樹君と比べると松本 竜也君のほうがストレートに勢いがあると思います。ただ村上君は選抜ではすごかったので。
芹:そうですよね!去年は村上君が1人で投げぬきましたから。
河嶋:村上君は制球力、投球の組み立て、精神力、変化球の切れなど何もかもがずば抜けていたと思います。智辯学園連覇のカギは松本君の投球にかかっていると思います。
芹: あと初日ですと、私は市立呉と至学館の開幕戦も楽しみにしているんです。市立呉と至学館はともに選抜では初出場。去年、なきぼくろ先生から聞いたことなのですが、甲子園は開会式がすごく大変で、肉体的にも疲労があるそうです。だからそのあとの開幕戦は本当に大変で、それが初出場校同士が体験するのですから、興味があります。お互い初出場同志。どんな戦いぶりを見せるのか、とても楽しみですね。
河嶋:至学館は昨秋の東海大会準決勝で中京大中京に逆転サヨナラ勝ちをしているチームですし、市立呉は中国大会で取材しましたが、守備がよく、粘っこい野球をするチームですね。
芹さんと河嶋副編集長が推す好カードとは?芹 玲那さん
河嶋:芹さんがほかに注目しているカードはありますか?
芹:札幌第一vs健大高崎の試合が楽しみです!札幌第一はチーム打率ナンバーワンだと聞きますし、健大高崎は機動破壊が健在で、それだけではなく、3番を打つ安里 樹羅選手も打点が多いですし、注目選手も多かったりしますので、どんな試合展開がどうなるか楽しみですね。河嶋さん的にはいかがですか?
河嶋:仙台育英vs福井工大福井の一戦は楽しみですね。仙台育英は総合力の高さ、福井工大福井は神宮大会初戦敗退でしたが、それでも打撃力の高さは全国レベルだと思いましたし、かなりすごいと思います。あとは滋賀学園vs東海大市原望洋、創志学園vs福岡大大濠のブロックでしょうか。4校とも強力で、隣のブロックを勝ち進んで、ベスト4まで勝ち進んでもおかしくないと思っています。
芹:創志学園は投手、野手をこなす難波 侑平君が有名ですよね。あと福岡大大濠は神宮大会で見ていて、その時、三浦 銀二投手と古賀 悠斗捕手のバッテリーが一冬で成長した時、全国レベルの打線にも通用するのではないかと思いました!とても楽しみです。
河嶋:三浦君は打者との駆け引きが非常に優れた投手ですし、勝てる投手ではないかと思っています。また難波君は中国大会で見た時は、野手としても能力が高いですが、エースとしてはボールを動かすのがうまい投手です。また創志学園は守備がいいですので、安定した試合運びが期待できると思います。
芹:今年はスラッガーが注目される大会だけあって、両チームは守備が良いですので、その守り合いもとても楽しみだと思っています。滋賀学園と東海大市原望洋はともに2年生から活躍している神村 月光君と金久保 優斗君がエースで経験豊富だから、どんなピッチングを見せるのか、楽しみです。
河嶋:金久保君は細身の体型ですが、140キロ中盤を投げる投手で楽しみです。滋賀学園ですが、昨年のチームよりも、打撃は良いチームで、全体的に打てる打者が揃っているように感じます。全国初舞台となる金久保君にとってはなかなかハードな相手だと思っています。
早稲田実業vs明徳義塾の一戦は見所満載!西浦颯大選手(明徳義塾)
芹:あと早稲田実業ですが、いきなり初戦で明徳義塾と当たっちゃいますか!という驚きでした。
河嶋:私も早稲田実業の初戦がなかなか決まらないなと思っていたので、まさか明徳義塾と対戦するとは、本当に驚きました。
芹:清宮 幸太郎選手を敬遠するかしないかで話題になっていましたけど(笑)個人的に気になっているのは早稲田実業の投手起用です。昨秋は1年生の中川 広渡投手が主に投げていましたけど、今大会はどんな継投策をするのか?というところにも注目しています。
河嶋:この試合、明徳義塾の投手陣がどう清宮君、野村 大樹君を抑えるかが焦点になっていると思いますが、もう1つは早稲田実業投手陣vs明徳義塾打線も見逃せません。明徳義塾打線はヒットも打てますし、前チームから活躍していたドラフト候補・西浦 颯大選手もいて、ゲームプランニングもしっかりとしている。やはり明徳義塾は不気味な存在だと思います。大会5日目ですので、準備が取れる時間がある。簡単にはいかず、神経戦になると思っています。
芹: 西浦君が清宮君をライバル視していると聞いています。2人とも1年生から注目されてきた選手ということで、かなり注目をしています。
河嶋:西浦君ですが、彼と中学時代、対戦した選手やU-15代表と一緒にプレーした選手に話を聞くと、みんな本当に凄い選手だったと語ります。西浦君は非常に肩が強いのでセンターゴロにされたり、また本塁打をガンガン打ったりしていたそうです。だから彼を知っているみんなは、「西浦はこんなもんじゃない」という声がほとんどでしたね。センバツでも目立ってほしいと思います。
芹:私も昨秋、明徳義塾の試合を見ていましたが、素人目ながら西浦君は打撃に苦しんでいるのかな?という印象を受けました。とあるインタビューで西浦君は中距離打者なのに、本塁打を狙いすぎて、自分のスイングが変わってしまったので、春へ向けてそこを克服したいと話をしていました。去年は甲子園でも活躍して甲子園という環境に適応していると思いますし、ぜひ成長した姿を見てみたいと思っています。
芹さんと河嶋副編集長がベスト8勝ち上がりを徹底予想!芹 玲那さん
河嶋:それでは芹さん、選抜ベスト8を予想していただきましょう!
芹:ああ難しいですね!!うーん今大会はどこが勝ち上がってもおかしくないので、悩みますね...。特に日大三、履正社はどちらも優勝候補として推していたので、初戦での対戦となってしまったので!
河嶋:それでは先に私が予想したいと思います。私は、履正社、智辯学園、前橋育英、福岡大大濠、秀岳館、仙台育英、早稲田実業、大阪桐蔭になるかなと思います。どこも強いと思うのですが、総合力の高さを観点して選びました。
芹:私も結構似ているんですけど、日大三、智辯学園、報徳学園、福岡大大濠、仙台育英、秀岳館、明徳義塾、大阪桐蔭かなと思います。実は決勝で見たいカードがあります。それが日大三vs明徳義塾なんです。
河嶋:その理由は何でしょうか?
芹:先ほど挙げた西浦君と、そして日大三には西浦君とともにU-15代表入りした津原 瑠斗君がいるんです。しかも同じ九州地区の選手。ポジションは全然違いますが、津原君がエースの櫻井 周斗投手をどうリードして西浦君を打ち取るのか?というところが楽しみですね。いわゆる選手同士のつながりによる対決がとても楽しみで、甲子園ではそういう対決を楽しんでいきたいと思います。
河嶋:ベスト8予想したら、準々決勝がかなり面白いものになるのではないかと思います。もしもですけど、大阪桐蔭vs早稲田実業の試合が実現する可能性もありますし、今年はかなり面白い年になるのではないかと思います。
芹:本当にそうですよね。準々決勝はどうなるのか?今からワクワクです。夏優勝の作新学院や二季連続甲子園ベスト4の秀岳館の戦いぶりも気になります!秀岳館の主将・廣部 就平君は九鬼 隆平君の思いを受け継いで、朝早くからグラウンドに出て、チームを引っ張りしたりしているようなので、下級生から経験してきた選手たちの成長ぶりも楽しみです!
河嶋:いろいろ楽しみ方がありますよね!ちなみに芹さんはいつから甲子園に参戦するのですか?
芹:初日からです!もう中央特別自由席の通し券は買ってあるので!
河嶋:そうなんですね!また甲子園でのレポートを楽しみにしています!楽しい甲子園観戦を!
オススメ!第89回選抜高等学校野球大会特設サイト