たくさん人が住む場所にはおいしい市場があり、その地域や国の名物がその市場から生まれています。

例えば、日本には世界的にも築地市場やフグで有名な山口の唐戸市場があり、世界に目をやれば、イギリス・ロンドンにはロンドン最古のフードマーケット「バラマーケット(Borough Market)」や、カナダ・トロントにある200年以上の歴史を持つ市場「セントローレンス市場(St.Lawrence Market)」、ポルトガルのポルト市民の台所「ボリャオン市場」など、世界的に有名な都市には、その都市の胃袋を支える市場が存在します。

今回ご紹介する世界の市場は「東洋の真珠」と称される古くからのリゾート、マレーシアのペナン島にある市場。

中心都市であるジョージタウンはその歴史的な街並みが、世界遺産に登録されており、ジョージタウンの街歩きはアジアらしい混沌とした活気に触れることができます。

そんなジョージタウンのエネルギーが最も集まっているのが今回ご紹介するクアラ・カンサー通り周辺で開催される朝市。

朝、ジョージタウンの目抜き通りであるペナン通りから、屋内市場・チョウラスタ・マーケットの脇を通って奧に進んでいくと、露店がずらりと並ぶ「ザ・アジア」な風景が広がっています。

朝市は、野菜に果物、肉や魚などの生鮮食品から、パンやエッグタルト、さらには衣類や日用品、仏教グッズまでなんでもあり。

通りには、衣料品や台所用品の店、喫茶店など、常設の店舗もありますが、朝はフリーマーケットのように露店がずらりと並び、さまざまな売り手が集結します。

「ここは肉のセクション、ここは衣類のセクション」と、カテゴリーによってはっきりと分かれているのではなく、蒸しパンの隣で骨董品を売っていたりすることも。さまざまな種類の品物が入り乱れていて、規則性がないところがこの朝市の面白さなのです。

通りには呼び込みの声が飛び交い、とっても賑やか。

「甘くておいしいトウモロコシはいかが?」

こちらでは、刃物の研ぎ器の実演販売が行われています。売り手の男性の話を聞く女性たちはみな真剣。

中国で縁起のいい色として好まれる赤のオンパレードの衣料品店。ジョージタウンには中国系住民が多いだけあって、中国文化を端々で感じます。

こちらでは、健康にいいというオイルを売っています。ちょっと怪しげな感じがするところがまた面白いですね。

生鮮食品の売り方も豪快です。路面に敷いたシートの上で売られる魚貝類。

その場でさばいて売られる魚。

大きな塊で売られる肉。「異国」の空気をひしひしと感じます。

この界隈は、午後になると朝ほどの活気はなくなるので、朝ごはんがてらアジアの市場の雰囲気を感じに出かけるのがおすすめ。地元・ジョージタウンの人々に混じってペナン式朝食を食べた後、マーケット散策に繰り出しましょう。

朝市が開かれる通りにある屋台村では、ワンタンミー、カリーミー、チャークイティオ、チキンライスなど、麺料理を中心に、中国系の屋台が並びます。

一品100円前後で安ウマグルメが楽しめる屋台は庶民の味方。こちらは、手作りのプリプリ海老ワンタンが入った、ワンタンミー(ワンタン麺)。優しい味ながらしっかりとダシのきいたスープがたまりません。

エネルギッシュな雰囲気にどっぷり浸かって、地元っ子気分が楽しめるペナン島・ジョージタウンの朝市。有名な観光スポットを回るだけでは見られない、ジョージタウンの日常風景がここにあります。

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