新発田中央高等学校(新潟)

写真拡大

集合写真(新発田中央)チームは「家族」だ

■除雪作業もトレーニングの一環新発田中央高等学校は新潟県新発田市にある私立高校。創立当初は女子校だったが1978年から共学となった。野球部は現在1年生24人、2年生11月で活動している。照明を完備した野球部専用グラウンドがあるなど設備面は非常に充実。毎年雪の積もる地域だが雪上ランや雪上サッカー・除雪作業などもトレーニングの一環だ。

■新潟明訓に勝利小柳 翔主将はチームの特徴に「学年関係のないコミュニケーション力と団結力。新しい歴史を創るために挑戦し続ける姿勢。常に進化を止めず、新しいことを取り込んでいくこと」の3つを挙げた。新チームになってからは「『家族』をテーマに取り組んでいます。個々の能力が強いチームに勝つために、一人一人の繋がり、チームのまとまりで勝つことを意識してきました。監督が父親・部長が母親・コーチ陣が兄貴・選手マネージャーの一人一人が兄弟として、お互いを刺激しながら会話・声がけを活発にしています」という。

そんなチームは昨秋、新潟明訓から白星を挙げている。新チーム最初の公式戦では副主将を務める飯沼 琉也選手が3点本塁打で試合を決め、4番の浅田 大喜選手は全試合で先制の適時打を放った。主軸を打つ上級生が活躍すれば1年生エースの萩原 脩平選手がほぼすべての試合を投げ切り、同じく1年生の渡辺 翔太郎がチームトップの打率を残した。

■悔しさを胸に冬を過ごすしかし、小柳主将は4点差で新潟明訓を下した試合よりも1点差で敗れた中越戦の方が印象に残っているという。

「初回に連打で4点を先制しましたが、徐々に追い詰められ5対6のサヨナラ負けをしてしまった。勝てると自分たちが心のどこかで思っていた部分があったから、小さなミスから負けに繋がってしまったと感じてます。小さなミスから、相手の流れにしてしまうプレーが多かったので、現在も体育館での内野の連携プレーなどに力を入れて取り組んでます。チャンスの場面で1本を打つために『振り込み・打ち込み』を秋の悔しさを忘れずに、声を掛け合い何万本と振っていきたいです。もう悔しい思いはしたくありません。必ずリベンジしたいと思います」

 誰よりも悔しさを感じているのは飯田 幸輝選手かもしれない。1年秋にエース番号を背負った左腕だが昨秋は控え投手。後輩には負けられないと練習に励む。他にも身体能力が高く一発もある飯沼 琉也選手、努力家でもあり大きな声での盛り上げ役でもある森田 俊哉選手も春のキーマンとなりそうだ。

「新潟県の強豪校である新潟明訓、中越との試合で、チームとして戦えることはできました。体の強さ・スピードといった一人一人の能力の差を感じました。この冬は、この一人一人の能力を高める時間としていきたいです。現在は、練習の合間に持参したおにぎりを食べたり、マネージャーのご飯を食べたり食トレもしてます。おにぎりは、多い人で6個〜7個持ってきてます。来年の春・夏に泣くも笑うも自分たち次第なので、悔いの残らないように1日1日を大切にしていきたいです」

左から浅田大喜選手、萩原脩平投手、渡辺翔太郎選手(新発田中央)選手それぞれの目標

 ここからは浅田選手、萩原脩平投手、渡辺翔太郎選手にお話を伺います。

Q. 秋を振り返って見つけた課題は何でしたか?

浅田:技術や体力の差を感じました。結果は、接戦ばかりだったことから、チャンスでいかに点を取っていくかが大切だと感じました。萩原:試合の後半から球威が落ちることと下半身の左手の使い方です。渡辺:つまらない内野のミスをなくすことと、体の弱さです。良い当たりでも、フェンス直撃の2塁打とあと1m伸びれば本塁打では、全然違います。そのパワーがないので筋力強化をしていきたいです。体の柔軟性をつけたいです。

Q. この冬はどんな冬にしたいですか?

浅田:チームの中心的な立場で、全員野球を目指すために、辛いときこそ声を出していきたい。個人的には、一回り体を大きくし、打撃をより一層強化していきたいです。萩原:負けることが嫌いですし、秋の悔しさを忘れずに、体も心も強くする冬にしたいです。渡辺:怪我をしない体作りをしていきたいです。先頭打者として、出塁から盗塁が当たり前になれるように、警戒される中でも一発で盗塁を決める技術を身につけたい。また、一発で試合を決める長打力を身につけたい。

Q. モットーや好きな言葉はありますか?

浅田:心は熱く、頭は冷静にです。萩原:力戦奮闘です。渡辺:勇猛果敢です。

Q. 現チームの長所、他のチームに負けないところはどこですか?

浅田:全員のまとまりある声と一体感です。萩原:先輩・後輩、関係なく何事にも指摘し、お互いに競い合い成長できるところです。渡辺:先輩・後輩、関係なく仲が良く、授業中以外はとにかく元気です。

Q. この冬の目標宣言をお願いします。

浅田:相手からマークされるスラッガーとなります。萩原:MAX140km/hオーバーを目標に肉体面・精神面ともに鍛え、コントロール・キレ・変化球の精度をあげ、見違える投手になります。そして、チームの絶対的なエースになります。渡辺:自分の持ち味を活かし、チームの勝利に貢献できる選手に成長します。

集合写真(新発田中央)先の未来のために今を頑張る!

 ここからは円山宏大監督にお話を伺います。

Q. 新チームでのチーム作りのテーマは何でしたか?この冬のテーマも教えて下さい。

テーマは、「家族」です。甲子園を観ても、投手150km/h超え、ホームラン打者というふうに選手個人の能力が高いチームが勝ち上がっていってると思います。まだまだ個人の能力が弱いチームなので、強豪校に勝つためには秋の時点では、「チームの繋がり」と考えました。家族よりも長い時間を共に過ごしているので、監督が父親として、部長が母親として、若いコーチ陣が兄貴として、生徒が兄弟として、一人一人が一人一人の長所・短所・得意・不得意をすべて言えるような関係であれば、試合中の声の掛け合い・接し方なども変化してくると考えてます。

 秋の大会では、チームとしては戦えたんじゃないかなと思います。以前ですと新潟明訓・中越というネームバリューで負けしてしまい向かっていく選手がいなかったんですが、ようやく名前負けしない向かっていく選手になってきました。遠征などでお世話になっている県外強豪校さんのおかげですので感謝してます。個々の能力である「足の速さ」・「スイングの速さ」・「肩の強さ」といった部分では、もの凄い劣っていると感じてますので、この冬に心・技・体の特に「技」・「体」の部分を鍛えていきたいです。

Q. 冬のトレーニングに励む選手にメッセージをお願いします。

「このままで良いのか?」「これで勝てるのか?」常に自問自答を繰り返し。先の未来のために今を頑張ろう!!!

円山監督、新発田中央野球部の皆さんありがとうございました。秋に続く強豪撃破を期待しています。

今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!