ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルンに次ぐ第5の都市「フランクフルト」。

そんなドイツ経済の中心地でもあるフランクフルトの華やかなビルが密集している街の中心部から南下したところにあるのが今回ご紹介する「ダルムシュタット」です。

「ダルムシュタット」は、文学的な香りに満ちた学術都市として有名です。

第二次世界大戦後のドイツにおいて、「未来志向」を掲げて復興に精力を注いだ世界的に有名な研究施設や、文学・音楽などに関する研究所・文化施設がここ「ダルムシュタット」に集まりました。

今回ご紹介する「結婚の記念塔」は、そのダルムシュタット中心部にあるルイーゼ広場のルートヴィヒ記念碑前から出ているバスに揺られて15分ほどでたどり着くダルムシュタットの街のシンボルです。

奥にそびえ立つ鮮やかな緑色の屋根の建造物が、「スタート」にふさわしい、ドイツでは縁起がいい事で知られる巨大な塔「結婚の記念塔」です。

こちらは先ほどの街の中心部ルイーゼ広場にあった「ルートヴィヒ記念碑」のモデルであり、ヘッセン=ダルムシュタット公国の最後の大公エルンスト・ルートヴィッヒと、マチルダ王妃の結婚記念に19世紀末に建設されたもので、美しい装飾のされた独特な造形は結婚式の際の大公の「宣誓の手」がモチーフとなっています。

王妃マチルダの名前が付けられている「マチルダの丘」は、ルートヴィヒ大公がドイツ各地からあ芸術家を招いて造り上げた「芸術家村」として、100年以上も前に建設されました。

奥さんの名前がついた「マチルダの丘」に立ちながら、大公の誓いの印である手の平を見上げていると、だんだん心が温かくなり、二人から幸せを分けてもらえるような気持ちになってゆきます。

美しい内部のモザイク画装飾は、ロマンチックな二人の愛に満ち溢れています。

高い建物のないダルムシュタットの町並みを一望できる展望室まで行くと、エルンスト・ルートヴィヒ大公とマチルダ妃の結婚式の記念物が展示されています。

結婚式場の座席表から、当時の式はコの字型だった事が伺い知れます。




この「結婚の記念塔」の建築様式は、19世紀末から20世紀の初頭にかけて展開され「青春様式」と表記されることもあるドイツ語圏の世紀末美術の傾向「ユーゲント・シュティール 」に属され、ルートヴィッヒ大公が芸術家村に招いたヨゼフ・マリア・オルブリッヒという建築家が手がけました。

結婚の記念塔の隣に建設された玉ねぎ型の屋根をしたロシア教会もまた同時期に芸術家村に招かれた建築家ベノイによるもので、鮮やかな色合いの結婚の記念塔と見事に調和しています。

ドイツを訪れた際には是非この学術都市ダルムシュタットに立ち寄って、文学的香りに満ちた芸術家村にそびえたつロマンチックな大公の誓いの塔を、王妃の気分になって見上げてみてはいかがでしょうか?

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名前 ルートヴィヒ大公結婚記念塔 (Hochzeitsturm)
住所 Sabaisplatz, 64287 Darmstadt, Germany
電話 +49 (0) 6151 132778
営業時間 火〜水・金〜日 10:00-18:00/木 10:00-21:00/月曜定休
観覧料 大人:3€/子供:2€/12際以下:無料
ホームページ http://www.mathildenhoehe.eu