カズの50歳狂騒曲で目を向けるべき本質とは
サッカーにはそうした他の競技には見つけにくい特異性、奥の深さがある。これこそがサッカー文化。プロができて世界的には日が浅い日本において、もっと明らかにされるべきポイントなのだ。
毎週日曜日朝放送される「サンデーモーニング」で、かつて張本サンが、カズに対して「早く引退すべき」と述べたことがある。カズは、「激励だと思っています」と、その声を奇麗に受け流したが、これなどは野球的な視点で、サッカーを語った典型的な例だ。サッカー文化への無理解を露呈したケースであり、さらに言えば、サッカー文化を否定する声だとさえ思う。
サッカーとは何か。クラブとは何か。他のスポーツとの違いは何か。Jリーグが発足した当時、しきりに語られたものだが、あれから四半世紀経ったいま、日本にこの文化が浸透した様子はない。50歳になったカズ。その過熱した報道の切り口は、過去5年間と変化なし。伝える側の思考は停止した状態にある。5年間どころか25年間も。カズの50歳話は、嬉しいニュースでもあるが、空しいニュースでもある。僕はそう感じている。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。