【世界の名城】イングランドとスコットランドの攻防戦で重要な役割を果たした名城「スターリング城」
イギリス北部に位置するスコットランド。首都のエディンバラから北西へ1時間ほど行った場所には、スコットランドで一番小さいと言われている都市スターリングがあります。
背後にはハイランドの山々を抱え、「ハイランドへの入り口」とも呼ばれているスターリング。かつてはスコットランドを制するための要とされた場所であり、この地で数多くの戦いが繰り広げられてきました。
キャッスル・ヒルという火山性の断崖の上には、そんなイングランドとスコットランドの攻防戦において重要な役割を果たしていた名城、スターリング城が建っています。
スチュアート朝の王家の居城として、スターリング城は12世紀に建てられました。しかし13世紀にはスコットランドに侵入したイングランドのエドワード一世が城を包囲し、スコットランドの統治権もイングランドのものとなりました。
その後14世紀にかけての戦いでスコットランド軍はイングランドを破り、その結果として悲願のスコットランド独立を手にしたのです。
城というと美しい建築を想像しますが、スターリング城は近くまで来てみると美しさというよりは「どっしり」とした強さを感じさせます。
城の前ではロバート1世の像が訪れる者を迎えてくれます。正式名称はロバート・ザ・ブルース。イングランドからスコットランドを奪還した英雄です。しかし彼はこの城を破壊してしまいます。その目的は、この城が再びイングランドの手に落ち、スコットランドがまた支配される事を防ぐためでした。現存するスターリング城は15世紀後半から16世紀にかけて再建されたものです。
父が亡くなったため、生後わずか一週間で即位したメアリー女王が戴冠式を行ったのもこの城でした。
断崖の上にあるので、ここからの眺めはとても素晴らしいです。またこの立地は、敵の侵入を防ぐという点でとても有利に働きました。大砲があちこちに置かれ、かつての戦いの歴史を私達に伝えようとしているかのようです。
城内部では数々の展示がありますが、興味深いものは当時のキッチンの展示です。調理法が説明されていたり、人形を使って当時の様子が再現されていて、料理が好きな方には特に面白いかもしれません。
またロイヤル・チャペルの中に掛けられている、大きなタペストリーも見ごたえがあります。スターリング城にはタペストリー工房もあり、実際の製作を見学することも可能です。
城はガイドツアーで周る事もできます。ガイドさんの興味深い話を聞きながら城内を巡るのも楽しそうですね。城そのものも見ごたえがありますが、そこからの景色もぜひご自身の目でご覧になっていただきたいです。
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