清武の日本復帰は代表にとって好材料(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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清武弘嗣がC大阪に復帰しました。2012年にヨーロッパに渡って以来、4年半ぶりの日本でのプレーになります。

27歳で戻ってくるのは、少々早いのかもしれません。セビージャで出場していたゲームを見ると十分以上に通用していました。また日本代表でも攻撃の中心として活躍するくらいプレーはキレていたのです。ただ、今季チームでは出場機会に恵まれなかったことも事実です。

では、この移籍は清武にとって間違いなのでしょうか。日本に帰ってくると、どうしてもヨーロッパのスカウトの目は届きにくくなるでしょう。再び挑戦するのなら、ヨーロッパに留まったほうがよかったかもしれません。

ですが、僕はJリーグに戻ってきてよかったと思います。それは試合に出ないことで「試合勘」が鈍ることのほうが怖いからです。試合と練習は何が違うのか。実はフィジカル面ではありません。

確かに肉体的な部分も、ゲームとトレーニングでは違います。ですがそれより、ボール感覚や試合への入り方など微妙な部分が違っているのです。試合から遠ざかれば遠ざかるほど、その微妙な差が蓄積され、大きなずれになってしまいます。そして何より、試合に出ていないことへのフラストレーションが肉体に影響してしまいます。

本田圭佑や香川真司などが試合から遠ざかっているときは、日本代表で実力を見せられないことを考えると、やはり試合に出ることは重要です。来月からワールドカップ予選が再開することを考えると、日本に戻ってきたことは、清武のコンディションを上げるという面では好材料だと思います。

ところで、これまでヴァイッド・ハリルホジッチ監督はヨーロッパ組を重用してきました。清武が帰国してプレーすることで、今後は中心選手から外れるのでしょうか。

僕はそうならないだろうと思いますし、そうなるとおかしいとも思います。監督はきっと清武への信頼感を失っていないでしょう。もちろん清武はJリーグでいいパフォーマンスを見せなければいけません。期待されている以上のプレーを見せてこそ、清武の日本復帰は成功だったという評価を得られるのですから。