外資系人材紹介会社のマイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン(東京・港、リチャード・キングマネージング・ディレクター)は、「2017年日本給与調査」を発表した。17年の雇用動向について同社は、急速な高齢化に対応するための需要が高まり、医療やライフサイエンス業界の雇用が伸びると予測している。

 マイケル・ペイジ・ジャパンは、17年の日本企業の業績は上向き、特に急速な高齢化に対応するための革新的ソリューションに対しては継続的な需要によって、医療、ライフサイエンス業界の雇用増を予測している。

 人材不足は今後とも多くの産業で課題で、同社が人材紹介の対象とするような英語、日本語ともに堪能なバイリンガル人材は限られているため外資系企業が最も人材不足に悩まされると見ている。

 またクラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能などの成長分野のIT企業は、経験豊富な中間管理職以上の人材を採用するのが難しく、エンジニアリングとプログラミング技術に長けた候補者は、複数の内定を受け取ることになると見込む。

 一方、金融業界は収益の減少、小売業界は消費者マインドの低下や訪日観光客による消費の減速で、ともに採用には慎重になると分析している。 人事分野における採用活動は好調を維持しており、今後12か月は同じ水準が継続すると見込まれています。採用活動が好調である要因の1つは、人事スキルのあるバイリンガル人材の不足です。

 求人数は継続的に安定しており、人事ビジネスパートナーやダイレクトソーシングの能力を持つ社内採用担当職に関しても増加しています。

 最も需要の高い業界は小売、医療、製造、ITです。金融業界では前年と同水準の採用活用が行われ、主な求人は後任採用のものでした。

 小売業界では常に人事職の需要が高いです。小売業界は、日本の有名ブランドと競争し、日本市場での優勢を維持するために人材投資に注力しています。2016年は、小売企が企業人事チームと連携して別の小売人事チームを作り、小売人事スタッフの採用活動を強化するが傾向が多く見られました。

 IT業界は常に革新、成長、多様性を実現しています。そのため、人材を増やして成長の可能性に投資するために、人事スタッフによるサポートがさらに必要になります。IT企業は、他の業界を率先し、独自のネットワークを通じて採用活用を行っていますが、その結果は様々です。多くの場合、欠員を埋めることには成功していますが、市場における最優秀の人材を集めることはできていません。また、人材のパフォーマンスが低いために、同じポジションの採用活動を繰り替えさなければならない状態になっています。

 戦略的な人事スタッフを求める企業の増加や、バイリンガル人材の不足や労働力の急速な高齢化が相まって、戦略的なマインドセットを持つ人事スタッフの採用活動が緊急に必要とされています。