千葉英和高等学校(千葉)

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集合写真(千葉英和高等学校)昨秋は今まで感じたことがない「自信」がついた

■昨秋強豪を破りベスト8に名を連ねた千葉英和千葉県八千代市にある千葉英和は1946年に「聖書学園」という校名で開校。野球部は毎年上位争いに食い込み、能力が高い選手を育てることにも定評があるチームで、OBには昨年リリーフとして44試合に登板した小川 龍也(中日ドラゴンズ)、スラッガーとして活躍が期待される網谷 圭将(横浜DeNA)がいる。そんな千葉英和は昨秋の県大会で、ベスト8入りを果たした。さらなるレベルアップのため千葉英和が課題にしていることは?

■強力打線を実証できた昨秋の県大会今年の千葉英和は、1年生27名、2年生34名で活動。今年のチームのウリについて山岡 将大主将は、・強力な打線・競争意識の高い投手陣・選手間で、技術的アドバイスや練習計画、チーム運営などの意見交換が多いことと答えてくれた。

 秋季大会やその後の練習試合を振り返ると、打線のレベルの高さを実証した。県大会では、本格派左腕・山下 輝投手(関連記事)など粒ぞろいの木更津総合の投手陣を攻略。さらに毎年投手力が高い成田との打撃戦を制してベスト8入りを達成した。この秋を振り返って山岡主将は、「エース不在の中、強豪校を倒したことは、今までに感じたことのない『自信』となりました。さらに明るい雰囲気からの『勢い』が生まれました」

 県大会ベスト8で生まれた打線に対しての自信はその後の練習試合でも発揮された。千葉英和は「1試合5得点」を目標に掲げたが、その目標もほぼ達成している。一方で課題になったのは守備力だ。守備でのミスが目立ち失点に繋がることが多かった。そのことを強く実感したのは昨年最後の練習試合となった横浜戦だ。「大差で負けましたが点差ほど力の差は感じませんでした。小さなミスからの失点が多く、今後の自分達に必要な課題が分かりました。そのことを踏まえて冬の練習に対する意識がさらに高まりました」と振り返る。そして県大会でも課題になったバントやエンドランの確実性を追求している。

■秋、活躍を見せた選手たち山岡主将は秋季大会で特に活躍を見せた選手として、山崎 凪選手、社領 陸選手、伊藤 連選手の3名を挙げてくれた。山崎選手は夏休み中盤に野手から投手へ転向。投手初体験から一ヶ月で地区予選、県大会ほとんどの試合に先発して強豪校の打線を抑え、ゲームメイクする活躍を見せた。社領選手は山崎選手の後に投げることが多く、厳しい試合の最後をしっかりと抑える活躍を見せていた。伊藤選手は背番号20番、ギリギリでベンチ入り。木更津総合戦から一番打者で初のスタメン出場し、そこから活躍を見せチームに勢いをつけた。

 また春に期待する選手として、長尾 康太郎内野手、小坂部 正大朗外野手、張 造運(じゃん ぞうん)外野手、芦田 丈飛投手の名前を挙げた。

■過酷な冬メニューこのオフの目標は質の高いトレーニングを行い、野球のプレーに繋げることを意識して行っている。オフの練習は過酷なものであるが、その一部を紹介してもらった。「冬季合宿での早朝練習ですね。シャトルランやタイヤ引きダッシュを一時間くらい行います。野球部専用のウエイト場があるのに、なぜか寒い冬、外でウエイトトレーニング。とにかく寒い!あと野球部専用の室内練習場があるのに、寒い冬、外で体幹トレーニング(笑)。とにかくきついです!」

 それでも2年生は真剣に冬の練習に取り組んでいる。「2年生にとってのこの冬練は、昨年とは違い一つひとつの練習メニューに対する意識がまるで違います。今、この瞬間がどれだけ大切で次のシーズンに繋がっていくかを、昨年身をもって知りました。部員全員が野球部のモットーである『今できる100%!!』を目指し悔いのない冬にしていきます」

 春は千葉県大会優勝、そして関東大会ベスト4。さらに夏は初の甲子園出場を目標に、歯を食いしばってきつい冬メニューを乗り越える。

 好投手攻略がテーマ!

 副主将の眞田 啓伍遊撃手と張 造運(じゃん ぞうん)外野手にお話を伺いました。

眞田 啓伍選手(千葉英和高等学校)

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

眞田:レベルの高い投手に対する攻略法です。張:チームとしては好投手を打ち崩すことができる打撃力で、個人としては、ここ一番の勝負強さですね。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

眞田:体だけでなく精神的にも強くする冬練にしたいです。張:自分に負けず、自主的に追い込む冬にしていきたいです!

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

眞田:走姿顕心です。張:堅忍不抜!

張 造運選手(千葉英和高等学校)

Q. このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

眞田:他チームに絶対負けないチームワークです!張:チームがまとまった時の団結力はどこにも負けない。いろんな意味で(笑)。

Q. このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』というこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

眞田:春、夏の残された2大会、必ず頂点に立てる実力をつけるため、一日を大切にしていきます!張:他のチームから恐れられるような、勝負強い打者になります。

外でウエイトトレーニング(千葉英和高等学校)全ては、心一つの置きどころ

 最後に伊藤 修次監督にお話を伺いました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 わがチームのテーマは、「自分に厳しく、相手に優しく。練習は厳しく、試合は楽しく」です。大会では良い緊張感の中でゲームを行うことができました。負けた悔しさはありますが、ある程度の達成感は作れたと思います。そして冬の練習は辛いです。しかし、ただ追い込むだけではいけません。成長するためには栄養や休養など生活面での自己管理能力が必要です。野球選手として全てが成長する冬にしてください。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 全国の高校球児全員が冬練を行っています。そこを抜け出し来シーズン頂点を取るために、何をすべきか考えなさい。「心一つの置きどころ」同じ状況を豊かな実りにする人もいれば、不平不満の種にする人もいる。全ては、心一つの置きどころ。

 伊藤監督、千葉英和高校野球部の皆様、ありがとうございました!

今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!